私たち日本人にはイマイチ分かりづらい両者の線引きですが、米国では政治に深く関係し、大統領戦などの勝敗にも影響を及ぼします。
カトリックは、「教会」こそが「使徒的」(イエス・キリストの名代としての性質)であり。その教会が保持するものを「聖書」であると考えます。
プロテスタントでは、「聖書」のみが「使徒的」であり。教会とそれに属するものはすべて、使徒的文書である聖書に従うとします。
カトリックでは、司祭や神父といった聖職が、ローマ法王を頂点とし、司教、司祭、信徒というピラミッド型階層構造になっています。そのため、聖書と並んでローマ法王の教えなどにも権威をおき、古くからの言い伝えや習慣などを重んじます。例えば、マリヤ崇拝やいろいろな聖人崇拝などがプロテスタントにはないカトリックの特徴です。洗礼を受けたときにクリスチャンネームをつけるのも、プロテスタントではあまり見られない習慣です。修道院があるのもカトリックだけです。
一方、プロテスタントは「聖書のみ」に従います。そのため、ローマ法王のような権威は認めず、階層構造を持つ組織もありません。このことが一因となって、プロテスタント内にさまざまな宗派(教派)を生み出しています。プロテスタントには、教理のどの面を強調するかとか、どういう方法で洗礼をするかなどで、多くの教派が存在します。でも、互いに認めあっています。
また、司祭という言葉は、カトリックでも、ギリシア正教やロシア正教などでも使われます。司教という言葉もあります。通常、カトリックの司祭や司教のことを一般の信徒が神父と呼ぶようです。
プロテスタントでは、一般的に、既婚者も牧師になれるし、牧師が結婚することもできます。しかし、カトリックでは、既婚者が神父になることはできないし、すでに神父となったものが結婚することは許されません。
もっと簡単には、十字架を見たときに、イエス・キリストがはりつけにされているのがカトリック、ただの十字架がプロテスタントです。それから、「アーメン」と言うときに十字を切るのがカトリックです。また、カトリックでは「ミサ」ですが、プロテスタントでは「礼拝」です。
カトリックは「聖書と伝承」
プロテスタントは「聖書のみ」