「生霊」
去年の冬、知人のB君は、彼女と友人のカップルを招き、家で鍋をする事になった。
彼女のB子は、家を出る時、B君に電話をかけ「今から出発して、途中でカップル二人を拾って行く」と、言った。
「分かった。雨が強く降っているから、気をつけてな」
電話を切ったあと、B君は 、鍋の準備を始めた。
1時間後、B君のもとへ、友人カップルが現れた。
「・・・あれ。B子は?」
「驚かないで聞いてくれ。くる途中事故に会い。運転していたB子が、その場で死んだ」
「えっ! 嘘だろ!」B君は、その場に泣き崩れ「事故現場に行く」と、言い。カップルに尋ねた。
「やめたほうがいい。遺体はバラバラで、もうどうする事もできない」
B君は、泣き叫び、再び崩れ落ちた。
その時、B君の携帯が鳴った。
着信履歴は、B子の番号だった。
「もしもし」
B君が電話に出ると。
「私、事故起こした」
彼女のB子だった。
「ええ! 無事なのか?」
「ええ。私は大丈夫。でも、カップルの二人は、おそらくだダメ。今、救急車で病院へ向かった」
B君は、側にいる二人を見つて。
「二人は、ここに居るよ」
「ええ。何言ってんの、そんな事ある訳ないでしょ。とりあえず、もう少しでそっちに着くから・・・」
B子は、電話を切った。
カップルは、驚いた表情で固まっているB君に言った。
「おそらく、B子は、自分自身が死んだ事に気づいてない。生霊として、電話をかけてきたんだ。ここへ来ても絶対に部屋へ入れるな。俺たち全員道ずれにされる」
その時、インターホンのベルが鳴った。
〝ピンポ~ン!″
「私! 早く開けて!」
ドアの外から、B子の声が聞こえた。
「ダメだ! 開けたら、あの世連れて行かれるぞ」
しかし、B子はドアを叩き、その場から立ち去ろうとしない。
B君は、ドアを開けず、室内からB子に話しかけた。
「君は、もう死んでるんだよ」
「何言ってんの? 今、病院から電話があった。カップルは亡くなったと・・・」
「信じちゃダメだ!」
カップルは口を揃えてB君に言った。
「早く開けて、私、ずぶ濡れなの!」
この時、B君は、やっと気づいた。
側に居る二人が、雨に打たれていない事に。
おわり