《しっかりしなきゃ。》
フラれた私がまず思ったのは、それだった。
込み上げてくるものを抑えて堪えて。
大好きで、大好きで、大事に育てたかったふたりの未来。
なんて、ね。
浸ってる場合じゃない。
こんなとこで、こんなとこで泣いてなんかやるものか。
すがってなんかやるものか。
ちょっとだけ、おかしいとは思ってたんだ。
こんな私に付き合ってくれ、だなんて。
学生時代じゃあるまいし、罰ゲームはないよねぇ。って、ふらふら。
しっかり、しなきゃ。
大事だった。すべて。
大事にしたかった。これからも。
何を見ても、彼を思い出して泣きたくなった。
何を食べても、彼を思い出して泣きたくなった。
何もしなくても、彼を思い出して泣きたくなった。
でも、我慢した。
しっかりしなきゃ。泣いてる暇なんかない。
我慢して、何でもないフリして。
独りになっても、我慢した。
思い出してなんか、やるものか。
って、昨日までずっと思ってて、ね。
あれ私、いつまでしっかりしてなきゃいけないんだろう?
あれ?私、失恋して悲しいよね?
あれ、、?
いつ泣けばいいんだろう?って。
そしたら、惰性でつけてたドラマで、イケメン俳優がさ、「泣いていいよ。」なんて言うから
私、泣き出しちゃって。彼がよく作ってくれたカレー自分で作っててさ、今日無意識に作ってて。それでまた泣いちゃって、
彼の味じゃないって思いながら、食べて、号泣してるの、今。
やだ、私、自分で思ってるよりずっと、ずっと好きだったんだ、彼のカレー。
・・・彼のことも。