私が担当した数多くの番組の中でも超あほらしい番組に『合コン!合宿!解放区』がある。男の浅ましさと女のあざとさがにじみ出た思い出深い番組だ。MCは小枝と蓮舫。流れとしてまず男の5人グループが3組がパフォーマンスを競い会い、選らばれた1組5人の男だけが美女の待つ老舗旅館に行く、その旅館の寝室には美女4人が寝床に入って待っている。部屋は真っ暗で男たちは頭に提灯をつけ、匍匐前進しながらお目当ての美女に夜這いをする。

 案の定、ほとんどの男は声を掛けた美女に断られる。その時の男たちの惨めな顔がアップで映しだされる。これが強烈なインパクトを与え、清々しくもある。

 後から聞いた話だが、サラリーマンの男性が「会社から夜遅くへとへとになって帰ってきて、テレビを点けると女に断られた男の惨めな顔が薄暗い提灯に照らされて浮かび上がる。これが勇気を与えてくれる。生きる元気を与えてくれる。世の中には自分より惨めでアホな奴がいる。一日の疲れも吹っ飛ぶ!」といっていた。これがテレビ番組の本来の役割ではないか。生活に疲れた果てた視聴者を元気づける思いっきりアホな番組を、真剣に作る。この考えを基本に、今も『探偵!ナイトスクープに』に取り組んでいる。

 そしてこのアホの極みともいえる番組に、意外な人も出演してくれた。『戦場のメリークリスマス』を手掛けた映画監督大島渚、浪速のモーツアルトと呼ばれるキダ・タロー、当時大学生だった女優の藤原紀香らだ。懐かしい!