代官
「ふっふっふ。
 越後屋、お主も相当の悪よのう。」

越後屋
「いえいえ、お代官様ほどではありません。」

代官
「それはそうと越後屋、
 例の件はどうなってる。」

越後屋
「はい。
 宿場町の宿屋に泊まっているご老人一行ですが、
 やはり水戸のご老公さまではないかと。」

代官
「やはりそうか。」

越後屋
「宿帳には『サノ』と書いてましたが、偽名ですね。」

代官
「偽名使ってごまかしてても、
 見た目がわかりやすく水戸黄門だもんな。」

越後屋
「宿帳の住所、水戸になってましたし。」

代官
「助、格らしき2人組もいたよな。」

越後屋
「宿帳書く時、傍らに印籠置いてたらしいですよ。」

代官
「絶対間違いないやつじゃん。」

越後屋
「一応、本人は『越後のちりめん問屋』って名乗ってたので、
 今日ちりめんを注文してみたんですけど、
 『ホントに注文する人、初めて見た』って言われました。」

代官
「ちりめん問屋を偽ってるのなら、0点の返しだよ。」

越後屋
「あと、今朝、宿の朝食バイキングでさりげなく相席して探りを入れてみました?」

代官
「どんな探り?」

越後屋
「世間話の途中で、
 『水戸のご奉公さまですよね?』ってフってみたら動揺してました。」

代官
「探りじゃないね。
 どストレートだね。」

越後屋
「なので、間違いなく水戸のご老公さまかと。」

代官
「どうする?オレたちの悪事。」

越後屋
「バレてますよね?」

代官
「バレてるでしょ?」

越後屋
「水戸黄門ですもんね。」

代官
「・・・自首する?」

越後屋
「自首ですか?」

代官
「もう悪役の人みんな連れてさ、
 ごめんなさいすれば向こうも許してくれるんじゃない?」

越後屋
「許してくれればいいですけど、どうします?大暴れされたら。」

代官
「自首すると大暴れされるの?」

越後屋
「わからないですけど、
 悪を見つけて懲らしめるまでのパターンが確立されてるじゃないですか。」

代官
「確かに長年、旅をしてきてるからね。」

越後屋
「だから、自首されるとリズムが崩れて暴れるとかあるかもしれないですよ。」

代官
「めちゃくちゃ取り扱い注意の人じゃん。」

越後屋
「あくまで可能性ですけどね。」

代官
「ということはなに?
 水戸黄門がいるってわかってるのに、悪事を続けないといけないの?」

越後屋
「仕方ないですよ。接待だと思って。」

代官
「そんなタイプの接待ある?」

越後屋
「いいですか、あくまで知らないふりです。」

代官
「できるかなぁ。」

越後屋
「最後に印籠見せられたら、
 そこで初めて正体を知ったって顔してください。」

代官
「自信ないんだけど。」

越後屋
「暴れられてもいいんですか?」

代官
「えー、じゃあ水戸黄門いると知ってて明日も悪事するかー。」

越後屋
「よろしくお願いします。」


「(ふすまの向こうから)失礼します。
 越後屋様におことづけをいただいております。」

越後屋
「(ふすまを開け、紙を受け取る)ありがとう。」

代官
「どうかしたか?」

越後屋
「(紙を読み)・・・うちの店に大量のちりめんが届いたそうです。」

代官
「マジのちりめん問屋だったってこと?!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

水戸黄門コントですが、主人公が舞台上に現れない僕の大好きな構図です。

 

最近になって、また両ボケコントの熱が再燃してきてます。

いろんなタイプのコントを織り交ぜて、「今週は何で来るんだろう」と思っていただけるといいですね。

 

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】テレビショッピング#2
【コント】勝訴
【コント】今日はクリスマス#2
【コント】面接#2
【コント】ランプの魔人#4

 

 

 

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