「我が軍の負けだ。諸君。
責任はすべて、この私にある。大局の要を愚者どもに委ねた。
人を見る目を欠いたということだ。指揮官として。」
これは、漫画「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」に出でくるジオン公国軍
地球侵攻軍総司令官マ・クベ中将の台詞です。私の戦略は間違っていなかった、任せた部下達の能力不足で負けた。しかし、彼らを選んだのは私なのだから、選んだ私の責任で負けたのだ。
最近読んだ漫画で、一番カッコイイ台詞です。僕は、同じ立場でこの様な考えすら浮かびません。マ・クベ中将はこの後、敵国主要都市に弾道ミサイルを撃ち込んで焼き払えという本国の命令を握りつぶし、部下達を本国に逃がす為に戦場に出て戦い戦死します。
政治の理想より、美術品の方が大切だから、主要都市の焼き討ちはしない。彼は焼き討ちを何故しないのかと迫る部下に、そう説明して戦場に出て行きます。自分は、間違ってはいなが指揮官としての責任があるから、自分の命を懸けて部下を本国に逃がす。例え、本国の命令でも自分の信条に反して、虐殺行為は出来無い。
彼は元々軍人として有能ですが、上に上手く取り入って出世したとも回りからいわれた男です。狡猾な裏取引や、特殊工作も厭いません。この漫画は、あのアニメ機動戦士ガンダムの海外展開向けに企画された物です。元のアニメ版では狡猾で、トカゲの様に薄気味悪い男として描かれています。漫画化するに当り、物語の深みを増す為に人物設定が一部、変更されています。マ・クベ中将は、大きく変わった一人です。
目的の為なら、狡猾な裏取引や、特殊作戦を厭いません。言っている事と、やっている事が違ったり、得体の知れない所が沢山有ります。それでも彼は保身よりも、自身の理念と誇りを選びます。自分の責任を全うする為に、部下を本国に逃がします。その為に、自身の生命を掛けて戦場に立ちます。
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 角川書店の月刊ガンダムAにて、連載中です。単行本は、Kadokawa Comics Aから、出ています。


