緑内障 とは「目の成人病」とよばれ、比較的中高年に発症することの多い病気でした。

現在は40歳以上の約17人に1人が緑内障だと言われています。
緑内障は、現在、国内に300万人の患者がいながら、
自覚症状がほとんど無いことから、実際には240万人が放置していると考えられています。
また、最近、若い世代の緑内障も増えています。


【若い世代に増えた原因と予防】

国立療養所中部病院長寿医療健康センター疫学研究部で、
男女7万人を対象に行った眼圧検査では、
若い世代の眼圧が上昇傾向にあり、
30歳代の平均眼圧が70歳以上よりも高くなっていることがわかりました。

70歳代の平均は10.6mmHgで、年齢が若くなるほど眼圧は高くなり、
40歳代で12.1mmHg、
30歳代で12.4mmHgという結果が出ました。

眼圧21mmHgで緑内障になる危険性が高くなるため、若い世代ほどリスクが高いことになります。


若い人の眼圧が高くなるのは、近視で水晶体が厚くなり、房水の流れが悪くなって眼圧が上昇している事、
日常生活における目の酷使とステロイド剤による薬害ではないかと言われています。


若い世代の近視の原因は、パソコンやテレビゲーム、受験勉強など、近くを見続ける作業が挙げられます。
これらは、すべて眼精疲労の原因と同じです。

眼精疲労のせいで緑内障になるわけではありませんが、眼精疲労が近視を招き、
将来的に緑内障を起こす危険性があるといえます。

また、血中コレステロール値と眼圧が比例するという報告もあるため、食生活も緑内障の一因になる恐れも考えられます。

それに、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、花粉症などの増加に伴い、
ステロイド剤を使用する人が非常に増えているのです。

アトピー性皮膚炎では、ステロイド剤の服薬や、軟膏を使用する場合が多いですし、
花粉症などではステロイド点眼薬を使用する場合もあります。

その様なステロイド剤の使用から、実際に緑内障になる事例が報告されていますので、
これからはますます緑内障の患者数は増えることが予想され、低年齢化の恐れがあるのです。

実際に最近は10代、20代の若い方が、他の眼病で眼科を受診し、
たまたま検査を行ったところ、「緑内障予備軍」と診断されるケースが多くなっています。

緑内障は早期発見がポイント。
「眼圧が高くないから緑内障の心配はない」というわけではありません。
患者の7割の眼圧は正常なので、眼圧検査だけでは不十分です。
40歳を過ぎたら、毎年、眼圧・眼底・視野の検査をしましょう。

また、日常生活では、目を疲れさせない
・・・つまり近視になりやすい環境を避け、目を休め、目を疲れさせないことも大切です。