私が仕事と職場の人間関係にも慣れはじめたころ、

長年勤めていた一人の女性が辞めることになりました。

そして、彼女が担当していた仕事を私が引き継ぐことになったのです。


それまで彼女との接点が仕事上ほとんどなかったので、

挨拶程度の言葉しか交わしたことがありません。

そして私の中での彼女の印象は、

“おっとりしている方だなあ”というものでした。

(お断りしておきますが、

この“おっとり”という表現は、

仕事をする上では決してほめ言葉ではないのです!)


ところが!


この“おっとり”を一瞬で吹き飛ばす瞬間が訪れました。

それが彼女の「お仕事ノート」を見た瞬間です。


彼女は自分がやらなければならない仕事内容を、

大学ノート数冊に細かく記していました。

そのノートを私への引継ぎに当たって、

「今後の参考に」とくれたのです。


どのページも文字がびっしりでした。

落ち着いて書いたページがあるかと思えば、

大急ぎで書いたページもあります。

でも、どのページも

癖のない、大人の文字=美文字でした。


それを見た瞬間、

彼女の印象が180度変わってしまったんです。

しっかりした、抜けのないきちんとした方だ、と。

なにもかもがきちんとした“デキル”方だ、と。


そのときから

彼女のようなきれいな大人の字を書けるようになりたい!

と、私は強く願うようになりました。


続く