シトロエンC2 | オートトレーディングルフトジャパン㈱ AT-1旭川神居店 社長のブログ

シトロエンC2


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C2とは?

実質的には、従来のサクソの後継モデルと位置づけられるシトロエンC2は、同じくシトロエンのC3、そして来るべきプジョー107(?)と同じPSAグループ最小のプラットフォームを使った3ドアコンパクトハッチだが、兄弟のC3よりホイールベースを14.5cmも短縮してボディデザインも専用とした。


これによって全長も3.67mとトヨタ・ヴィッツ級にまで短くなっている。C2のサイズはVWポロを筆頭とするBセグメントというより、厳密にはルポやヴィッツが属する“サブBセグメント”もしくは“Aセグメント”に分類すべき小ささだ。


 聞くところによると、ヨーロッパにおけるこのA~Bセグメントでは、5ドアが圧倒的人気の日本とは少し事情が異なり、3ドアと5ドアのシェアがほぼ半々なのだという。


つまりは、3ドアも一定以上の販売台数が見込めるという意味でもあり、シトロエンがわざわざ3ドアと5ドアで各々に専用デザインを与えたのも、そうした背景を考えれば理解できる。


  C2はパーソナルユースがメインであることで割り切り、後席をセパレート型のスライド&タンブルアップ付きとし、乗車定員は4名、上下分割のスプリットテールゲート…と、1~2名乗車を想定した使い勝手に特化しているのだ。



後席はスペース、シートのデキともにあくまで緊急用にすぎないかわりに、乗車人数によってシートアレンジのパターンを豊富に用意した。


シャシーは非常にハイレベルにまとめられたC2だが、今回発売された日本仕様の2モデルが、ともに好き嫌いが分かれるシーケンシャルMTの“センソドライブ”のみ……という設定なのが、個人的には少し引っかかる。

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 日本的な感覚でいえば、1.4リッターが一般的なトルクコンバーター式AT、1.6リッターがMTという組み合わせが、解りやすい路線だと思うのだが、実はこのC2、本国にも伝統的なトルコン式ATの設定がない。


ヨーロッパでのC2のラインナップは、日本に導入された1.4VTRと1.6VTR以外はすべてMTのみであり、また1.6リッターエンジンはセンソドライブとの組み合わせしか存在しないのである。


 また、今年春には本国でC3の1.4(日本仕様はATとの組み合わせ)にもセンソドライブが登場しており、シトロエンは、このクラスのATをすべてMTベースのセンソドライブ(ATよりコストが低く、燃費にも有利)に統一するつもりなのかもしれない。


 センソドライブはこの種のシーケンシャルMTとして、アルファロメオの“セレスピード”やオペルの“イージートロニック”と比較しても決して悪いデキではない。


しかし、「シーケンシャルMTの決定版」ともいうべきVWグループの“DSG”が登場した今となっては、シフトアップ時のタイムラグがどうしても気になってしまう。


ごく普通のMTのほうが、C2本来の小気味いい走りに似合う気がしてならないのだ。


 個人的な告白を許してもらえれば、C2の1.6VTRとMTの組み合わせが存在したら、私はかなり食指が動く。


まあ、逆にいえば、センソドライブ、すなわちこの種のシーケンシャルMTが嫌いでない人には、C2は、ちょっとした“通”のチョイスになるだろう。激戦の(サブBセグメントも含む)Bセグメントの中にあって、キラリと光るものは確実にある。


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C2のスタイリングは素晴らしい。内外装ともに図形の“円”をモチーフとしたデザインなのはC3と共通(インテリアの基本デザインはC3と同じだ)するが、ファミリー向けに柔らかな曲面で包んだC3に対して、C2はエッジが立ったシャープで幾何学的な造形でまとめられる。いさぎよく垂直にカットしたリア周り、そしてスポーティさを強調するリアクォーターウィンドウ処理など、小さな身体にスピード感と存在感を与える手腕は見事だと思う。またボディ色に応じて、鮮やかな2トーンカラーを用意するインテリアも面白い。


 さらにC2を魅力的に見せている要素として、「ショート&ワイド」なディメンションも大きな役割を担っている。前述のとおりにボディ全長は3.7m未満という短さだが、フェンダーを張り出した全幅は1660mmと、ひとまわり大きなBセグメントの平均値とほぼ同等。このボディの縦横比が視覚的な安定感を演出しているわけだ。


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 走りも悪くない。C2と基本メカニズムを共用するC3は、ファニー系(?)の背高パッケージにもかかわらず、路面情報が豊かなステアリングフィールや余裕のあるシャシー設計によって、スポーツハッチとしてもなかなかハイレベルな完成度を持つ。そんなC3に対して、C2はそのスタイリングから受ける印象に違わず、さらにスポーティ志向を強めている。


  今回は1.6リッターのみの試乗となったが、C3より全高が低いボディ、そしてショートホイールベースの恩恵なのか、乗り心地は快適でしなやかさを醸し出し、それでいて適度にシャープなハンドリング、そしてグリップ情報をきっちりと伝えるステアリングなどと、なかなか気持ちのいい仕上がりといえる。

http://www.carview.co.jp/express_new/c2/index.asp