クリ子は夜、私を見ると怯えて鳴きます。
今でも時々。
私っつーか「オトコ」を見ると鳴く。

昔、虐待されてたコイツにとって
「夜」+「男性」=「殴られる」がセットなんだろね。
日が沈み暗くなると心の奥の原風景がフラッシュバックする。
父ちゃんだと分かってんのに恐怖で身体が硬くなる。
可哀想に。
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「コラ!ボケッ!さっさと来いや!」
夕暮れのスーパー前に怒声が響く。
虎だの龍だのが金ラメで入ったジャージ姿。
サンダル履きの若い父親が目を吊り上げてる。
10mほど後ろをトボトボついてくる子供。
多分、2年生くらいか。とてつもなく暗い顔。
傍目にも分かる位、オドオドしつつ父親の顔色を盗み見てる。
心の底から怖がってるのが見て取れる。
(殴られてるな・・日常的に)
「はよ来いっちゅーねん!ドつきまわすど!」
肩を落とし、重い足を引きずりついていくその子。
あんなに全てを諦めたような表情の小学生を初めて見た。
★
心の傷、トラウマ、原体験。
クリ子に今でも怯えて鳴くような恐怖を植え付けたドコかの誰か。
自分の子供に足が震え、ちゃんと歩けなくなるほどの暴力を振るう親。
(小さくて弱い者を傷付けて喜ぶクズ)
この世界はそんなクソ野郎で満ちている☆