ロク。 | 私的リーガル項

私的リーガル項

古いアメ車と暮らす日々。犬のコト、その他諸々を。


父ちゃんと母ちゃんと妹二人。計5人。

そんな我が家にやって来た6番目の家族。


だから「ロク」。

子供の頃、始めて飼った犬の名だ。


鼻の回りが黒くて、ちっこくてコロコロしてて

眼がまん丸な、ソレはソレはカワイイ子犬だった。


近くの空き地に連れて行くと、トコトコ付いて来て

私が立ち止まると、そのたび足元にペタリと座る。


(勝手に走り回ったりしない、賢いヤツ。)


そう思っていた、その時は。


後で分かったコトだけど、ウチに来た時既に

ロクはジステンバーに罹患してしまってた。


もう苦しかったんだ。


勝手に走り回らないんじゃなくて、走れなかったんだ。

必死に後をついてきて疲れ果てて座り込んでたんだ。


ちっとも気付かなかったよ。

ゴメンよロク。





ご飯を残し、鼻をグズグズさせて元気がない。

妹が叫ぶ。「ロクがおかしいよ!」


慌てて病院に連れて行った時にはもう手遅れだった。

その夜、泡を吹きながら身体を硬直させて小さなロクは死んだ。


冷たく、そして硬くなったロクをどうしても触れない私を下がらせ

親父が泣きながらロクを近くの空き地に埋めた。


「もう犬なんか絶対飼わんぞ!」とかすれた声で言いながら。





自分に生き物を飼う資格なんてない。

「もう犬なんか絶対飼わない」・・その日から私もそう思っていた。


虐待されてたコイツと出会うまで。


$私的リーガル項


ロク。

数日間しか一緒に居られなかった6番目の家族。


オマエにしてあげられなかった分、クリ子を長生きさせるよ。

もし良かったら力貸してくれよ☆