ワカメ。 | 私的リーガル項

私的リーガル項

古いアメ車と暮らす日々。犬のコト、その他諸々を。


ミナミ。

あの頃「ヨーロッパ通り」と呼ばれてた周防町の。


心斎橋筋から東に折れた少し先。そこに「葡萄屋」はあった。

小さなハコだけど私立のオシャレな子達が集まるディスコ。


いつも鏡の一番前でユラユラ踊っていたオレ達。

誰が呼んだかワカメダンサーズ(恥ずかしい)





それにしても、あれだけ毎日

よく飽きもせずに通ったもんだ。


エピソードは、ごまんとあるけど

ほとんどココじゃ書けないよーなコトばかり。


ま、大体がつまんねー色恋沙汰なワケですが。


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「キャァァ~!」


チークタイム。

照明が落ち、SLOWJAMに変わったとたん響く悲鳴。


フロアの真ん中でケンジがフォークを振り回してる。


(あ~ぁ・・又かよ・・)

頭を抱えながら止めに入る。


「分かった分かった、ケンちゃん落ち着けって」

「離せ!オラ!」


ケイコもケイコだ。

よりにもよって新しい彼氏とココに来るなんて。


やっとの思いでトイレ横の壁に抑えつける。


「なぁ、ケンちゃん。もう忘れろって。ケイコちゃんが

金持ってるオトコを選ぶってんなら仕方ないだろ?なぁ」


まだ騒然としてるフロアじゃ、ヒデキ君がブースから出て

相手を抑えてくれてた(DJまで巻き込んじゃってゴメンよ)





あの時、見習いDJが慌てて回してくれたのがこの曲。

アースの「After The Love Has Gone」(これはLIVEバージョンだけど)




顔をグチャグチャにして泣くケンちゃんの

震える肩を抱きながら精一杯笑いかけて言った。


「なぁ、また一緒に声かけに行こうよ」


真っ赤な顔で、しゃくりあげながら子供みたいに首を振る。


「なぁ行こうよ、な。付き合うから、さ」





「エックエック・・ヒックヒック・・」


こんなに文字通り「オイオイ」泣くヤツを初めて見た。


ドカチンのバイトして昼飯抜いて、やっとの思いで

ティファニーのオープンハート買ったの知ってるよ。


誕生日に間に合わすつもりだったんだろ?

何度フラれても、本気の本気で好きだったんだな。



アレ?何だかオレまで目の前が霞んできた。

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言っとくけどスモークのせいだからな☆