その昔、ニューヨークにて。
明日はユタに向かうので、この街最後の夜。
色んなおススメを聞いたけど、とにかくダンスがカッコいい
と評判のBLACK&BLUEを観ることに決めてブロードウェイへ。

少し早めに入って、まだまばらな客席に腰を下ろすと
隣りの紳士が、にこやかに話し掛けてきた。
「一人かい?」
見た感じはそうだなぁ・・
セックス&ザ・シティのビッグみたいな雰囲気。
しばらく話したんだけど、このビッグ、とにかく親切。
セリフの言い回しで分かりにくそうな場面があればイチイチ
教えてくれるし、何かと気遣ってくれる。
期待以上の素晴らしいショウが終わり、「遊びにおいでよ」って
コトでノコノコついてくと、これまたセックス&ザ・シティの
シャーロットが住んでたような高級アパートメント。
一人暮らしのくせに何部屋もベッドルームがあるようなスゲェ家を
案内されてる時にふと、ベッドサイドに置いてあった写真が目に。
予想はついてたけど、上半身裸の男のポートレイト。
ははぁ、やっぱり、ね。
そういうコト、ね。
何とか酔わそうと酒をすすめてくるビッグを、上手くかわしながら
腹が減った、って訴えて近くの小洒落たチャイニーズ・レストランへ。
「ニューヨークからキミへの贈り物だよ」とか何とか囁かれても
ニッコリ余裕の微笑みで受け流す、すっかり悪女気分のオレ。
たらふく、ご馳走になるだけなって「さ、もう遅いから帰るよ」。
涙目のビッグには悪いコトしちゃったけど、明日の行き先が
ソルトレイクシティだと聞くと、心底イヤ~な顔してそれ以上
しつこく誘ってこなかったのには笑ったな。
夜のグリニッチビレッジで紳士に「バイバイ」。
月明かりの中、口笛吹きながら歩いたストリート☆