117。 | 私的リーガル項

私的リーガル項

古いアメ車と暮らす日々。犬のコト、その他諸々を。


「時報の話、聞いてる?ほら電話の。117の。」

後ろの席のタカシが背中をつつく。


「はぁ?何がだよ?」振り返ると、例のニヤニヤ顔。

いつもコイツは、もったいつけ過ぎで面倒くせぇんだよな。


「時報が流れてる間に話しかけると、知らないドコかの女の子が

返事してきて仲良くなれるらしいぜ。マコトがそれでGETしたって」


「ふ~ん、あっそ。興味ねぇし」


大ウソだ。興味大アリだ。マコトのヤツ、黙ってやがったな。


授業が終わるなり急いで家に帰ると早速、受話器を抱えてダイヤルに触れた。

ゆっくりと、117にかけてみる。

$私的リーガル項


時刻を告げる無機質なアナウンスに続きプップップ、という秒を刻むインターバル。

あぁ、ココで話しかけろ、ってコトか。


「もしもし・・」

返事が無い。そしてアナウンスが続いてまたインターバル。


「もしもし?」

やっぱり返事は無い・・



チッ、バカバカしい。またタカシのホラ話にひっかかちまったよ。


あ~ぁ、つまんねぇ。

昨日買ったジャンプでも読むか、と受話器を置きかけた瞬間。




「・・・・もしもし・・」


かすかに返事が聞こえた!!

ホントに女の子が返事してきた!!!

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つづく☆