「時報の話、聞いてる?ほら電話の。117の。」
後ろの席のタカシが背中をつつく。
「はぁ?何がだよ?」振り返ると、例のニヤニヤ顔。
いつもコイツは、もったいつけ過ぎで面倒くせぇんだよな。
「時報が流れてる間に話しかけると、知らないドコかの女の子が
返事してきて仲良くなれるらしいぜ。マコトがそれでGETしたって」
「ふ~ん、あっそ。興味ねぇし」
大ウソだ。興味大アリだ。マコトのヤツ、黙ってやがったな。
授業が終わるなり急いで家に帰ると早速、受話器を抱えてダイヤルに触れた。
ゆっくりと、117にかけてみる。

時刻を告げる無機質なアナウンスに続きプップップ、という秒を刻むインターバル。
あぁ、ココで話しかけろ、ってコトか。
「もしもし・・」
返事が無い。そしてアナウンスが続いてまたインターバル。
「もしもし?」
やっぱり返事は無い・・
チッ、バカバカしい。またタカシのホラ話にひっかかちまったよ。
あ~ぁ、つまんねぇ。
昨日買ったジャンプでも読むか、と受話器を置きかけた瞬間。
「・・・・もしもし・・」
かすかに返事が聞こえた!!
ホントに女の子が返事してきた!!!
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つづく☆