「相馬」さんからの爆音レビュー! | THE BACK HORN『アサイラム』爆音レビュー大会 Powered by Ameba

「相馬」さんからの爆音レビュー!

何処へ行く、あのアルバムを初めて聴いてからバックホーンの音楽を聴いています。
魚雷の一歩下がって世界を見つめた感じや、冷めた様な、でも熱い歌詞がやみつきになって、何処へ行くの「ただ愛せ」でやられたのが最初です。バックホーンを好きになってから私の日常の中には彼らの音が不可欠になりました。

今回のアルバムも発売がとても待ち遠しかったです。初めて見たときに混沌とした雰囲気が感じられたジャケットをお店で探して急いで買って帰り、いざ開けるとディスクが硬くはまっているのに苦戦してやっと聴いたアサイラム。去年のマニアックヘブンで聴いてから楽しみだった雷電から始まったアルバムは、バックホーンの世界が存分に詰まっていました。

印象的だったのは曲によって変わる表情の多さで、力強く背中を押してくれたり、生きること、それと隣り合わせの死について考える機会をくれたり。そして今回特に、羽衣と海岸線の柔らかくて優しい音が心に残り、綺麗な山田さんの歌声が心にすとんと入り込んできました。一転して太陽の仕業も好きです。
あと、いつも1曲通しての歌詞によって作られる世界観が好きなのですが、アサイラムはそれより部分部分の言葉が印象的なものが多かった様に思います。


時間を気にして電車に揺られる朝の時間も、一日を振り返る終わりの時間も、いつ聴いてもアサイラムの曲たちは11曲全てがそれぞれ表情を変えて寄り添ってくれます。「アサイラム」の意味を調べただけではあまりピンとこなかったその言葉ですが、バックホーンにとってのアサイラムを今では感じ取っています。

どの曲を聴いても毎回感じるバックホーンの表現力。
昔の曲もずっと好きだし、今回のアルバムの曲だって何年経っても聴き続けているでしょう。その時その時の魅力が溢れていて、色褪せないってすごい。成長し続けているとか進化し続けているなんて言葉だけではうまくはまらず表現出来ない、いつも全力で作り上げるバックホーンの世界が素敵です。

今はヘッドフォンでCDをじっくり聴いている自分ひとり分の世界に出来上がる聖域が、アサイラムツアーのライブでバックホーンの奏でる爆音と大勢の人数分、大きな聖域となるのを楽しみにしています。

宝物になる素敵なアルバムをありがとうございました。

相馬