「ジャマミン 」さんからの爆音レビュー! | THE BACK HORN『アサイラム』爆音レビュー大会 Powered by Ameba

「ジャマミン 」さんからの爆音レビュー!

THE BACK HORNのニューアルバム「アサイラム」

シングル曲を聞いても一体どんなアルバムになるのか予想出来ず、ワクワクして待っていた。 9月15日、ついに届いて蓋を開けてみると、これはとんでもないアルバムだった。

オープニングの「雷電」から異常な程の熱量とエネルギーがびしびし伝わってくる。そこから待ったなしの「ラフレシア」「戦う君よ」の怒涛のナンバーが続く。感情を爆発させたようなプログレッシブな「再生」など、それらはまさに 知性と野生のバランス といった衝動的であるが洗練されている絶妙なバランスを持った楽曲達だ。
次に耳に飛び込んで来たのが「羽衣」と「海岸線」。とても綺麗で穏やかな曲調で、今までのTHE BACK HORNからは少し想像出来ない曲だったが、懐かしい感じがするのは何故だろう。これまでの喧騒が嘘のようにメロディーが心に染みる。
しかしここからまた、暴れ出すのだ。爆音の名を背負う彼らに相応しい「ペルソナ」や歌詞と楽器隊が競うように暴走する鮮烈な印象の「太陽の仕業」、またシングル曲である「閉ざされた光」。この曲はアルバムの流れで聞くと、こんなに壮大な曲だったのか、とまた別の印象を受けた。ここで力強いストレートなバラードの「汚れなき涙」。命を肯定する優しい歌詞とメロディーの美しさに泣きそうになってしまう。
ここまでダークな印象を受けつつもまったくテンションが切れない曲達だった。
そして、アルバムのラストの曲である「パレード」。眩しいような明るいメロディーに少し驚いた。今までの緊張感や焦燥感がひいていき、徐々に心に優しさが溢れくる。「長いトンネルを抜けて 優しさの意味を知った」まさにこのアルバムを象徴するような歌詞だ。ラストを飾るのは意外にも、シンプルだからこそ、心に訴えてかけてくる曲だった。

THE BACK HORNというバンドは一つの生命体のようだ。常に進化しながらも、その核は何一つブレていない。そしてこのアルバムはその生命体が生み出した「最新型の野生児」に違いない。本当に色々な表情を見せるから、一筋縄ではいかない。友達になれるように、彼をもっと知れるように、これからもずっと付き合っていきたい。

ジャマミン