「田村渉」さんからの爆音レビュー! | THE BACK HORN『アサイラム』爆音レビュー大会 Powered by Ameba

「田村渉」さんからの爆音レビュー!

1. 雷電
ライトハウスとマニヘブでもともと聞いていた曲だったけど、何度聴いても新鮮だった。
自分のイメージでは、時代も場所も関係なく、電光石火のように稲妻が蠢いて
醜いもので固めてただ堕落して生きてるだけの人間達を再起動する・・みたいな感じ。

2. ラフレシア
イントロはグシャグシャしててそれがどんどん形になって花になっていく・・、っていうか、
とにかくカッコいい。
特に気に入ったのが「落雷を待つバベルの塔」という歌詞。
本心はぶっ壊してぇけど、自分で壊すのは怖いなーー。みたいな人間染みた所が好きだ。
言葉の一つ一つは幻想的で、不気味だが、実は人間味に溢れている気がする。

4. 再生
天才的な凡人は、もはや生きてく理由も忘れて、
空白のパズルを集めて自分を慰めることしかできない、色んな人が共感できる内容だと思う。
アサイラム(心の拠り所)というアルバムに最もピッタリな曲だと思う。
そしてもう一度、現実に戻って「再生」して行きたい。

6. 海岸線
ものすごく新しい曲。今までのTHE BACK HORNにあきらかに無かった曲。
力を入れず、力を抜かず、いつの間にか通り過ぎてるような曲。
「羽衣」の続きみたいに感じる、昼の海。
自然の中に産まれたアサイラム。

7. ペルソナ
「見栄を張ったピースマークは誰の真似?」「商業主義の地獄行き」
リアルな感情をぶちまけたアツイ曲。

9. 閉ざされた世界
ガンダムの主題歌。
戦争のことを「閉ざされた世界」と呼んでいると思う。
「誰がために鐘は鳴る?」この部分が印象的。
意味も分からずに人々が戦火に駆け出していくけど、結局誰のためなの?
そんなことを考えさせられた。

10. 汚れなき涙
「閉ざされた世界」の後に聞くとさらに良い。
生きることに意味も罪も無い。
松田さんらしい本当にいい歌です。

11. パレード
甦る陽の「新世界」を沸騰させるような日常を映した疾走曲。
アサイラムで心を回復した人々がまた「ここから新しい旅を始めよう」と思える。
アルバムの最後を締めくくるに相応しい曲。

今までのアルバムと違うのは「アサイラム」という、自分のすべてを押し出すだけでなく、
誰かを休ませる、という所。
8枚目のアルバムになってもTHE BACK HORNは進化をし続けていると思った。

田村渉