日本学士院(久保正彰院長)は12日、10年度日本学士院賞の受賞者9件11人を内定した。表章・法政大名誉教授(82)と山中伸弥・京都大iPS細胞研究センター長(47)は恩賜賞も併せて受賞する。また自然保護や種の保全に関する優れた学術成果を上げた研究者に隔年で贈られる日本学士院エジンバラ公賞には、西平守孝・東北大名誉教授(70)が選ばれる。恩賜賞・日本学士院賞は1910年に創設され、今回が100回目。【奥野敦史】

 受賞者と研究対象は次の通り。(敬称略)

 ◇恩賜賞・日本学士院賞

 表章(おもて・あきら)法政大名誉教授(82)=日本中世文学、「能楽史の研究」

 山中伸弥(やまなか・しんや)京都大物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長(47)=幹細胞生物学、「人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立」

 ◇日本学士院賞

 梅原郁(うめはら・かおる)京都大名誉教授(76)=東洋史学、「宋代司法制度研究」

 斎藤修(さいとう・おさむ)一橋大名誉教授(63)=比較経済史・歴史人口学、「比較経済発展論-歴史的アプローチ-」

 黒岩常祥(くろいわ・つねよし)東京大名誉教授(68)=生物科学、「ミトコンドリアと葉緑体の分裂・遺伝様式に関する基本機構の発見」

 佐藤勝彦(さとう・かつひこ)東京大数物連携宇宙研究機構特任教授(64)=宇宙物理学、「加速的宇宙膨張理論の研究」

 村井眞二(むらい・しんじ)奈良先端科学技術大学院大理事・副学長(71)=応用化学、「遷移金属分子触媒による有機化合物の骨格形成法と修飾法の開拓」(共同研究)

 村橋俊一(むらはし・しゅんいち)大阪大名誉教授(72)=有機合成化学・有機金属化学、同前(共同研究)

 大類洋(おおるい・ひろし)東北大名誉教授(68)=生物有機化学・分析化学、「新規生物機能性分子の創製とその応用に関する研究」(共同研究)

 北原武(きたはら・たけし)東京大名誉教授(66)=有機合成化学・天然物化学、同前(共同研究)

 田中啓二(たなか・けいじ)東京都臨床医学総合研究所所長代行(60)=生化学・分子生物学、「プロテアソーム(たんぱく質分解酵素複合体)の構造と機能に関する研究」

 ◇日本学士院エジンバラ公賞

 西平守孝(にしひら・もりたか)東北大名誉教授(70)=動物生態学・サンゴ礁生態学、「沖縄を中心とした我が国のサンゴ礁の形成と保全の研究」

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