【直ヤホ】
僕は多くの人が待ち合わせ場所として使用するであろう駅の金時計の前で辺りを見渡していた。
え~ざっと流れを説明すると!友達を今集めてるんだけど、友達はなろうって言ってなるもんじゃないとギリギリさんにロンパされたからぁ、“あいつ”と一緒にご飯に行くことにしました。
しかし遅いなぁ。待ち合わせに10分も遅れるなんて。忙しいんだよボクは~~!
「…やっほ」
はぁ、今日は夕方からもう一つ約束があるっていうのに、
ダブルブッキングなんてヤバイよなー。このままじゃ友達なくなっちゃうかもしれないよ!

「やーーーーーーーっほーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

「うわあああ!!うるせーよ!!!!!!」
わ、わ、周りの人の目を集めちゃった。
「恥ずかしいじゃないか!誰がとは言わないが!」
「私の声に気付かないなんてその耳は飾りなんですかァ?シカトですかァ?」
「いつ俺を呼んだんだよ!だいたい遅れたのはお前だろー!」
「女心ってものを解ってない奴は死ね!」
女心?また訳のわからないことを言う奴だな。
しかし今日はいつものパンプキンスカートじゃないんだな。
え?ショーパン?うわあ太ももの裏側を見てしまいました。

「およよよ…このいつもと違う気合い入れたコーデがわからないんですね…うぬでは役不足…」

…どうしよう、コイツにこんな気持ちにされたのは最悪かもしれない。
悔しいけど、かわいい。

でも

「いや、キミ男だよね?」



【直崩】
アイツと別れてから30分が経ちました。
アイドル崩れの人はもう友達になってくれたけど、親密になるためには手と手を取り合ってディナーでも一緒に行く必要があるんですよと言ってたから、
一緒に夕飯を食べることになりました。
あの子は自己紹介の時に一番最後に僕の目に留まったから目立たないんだよなあ。
昼のように気付かず大声上げられるなんてことがないようにしないと。

「あ…私、来ちゃった」
「アイドル崩れの女の子。何そのサングラス」
「…アイドル崩れじゃないの。一応国民的アイドルだから、お忍びで参らないといけないでしょ?」
国民的アイドルだったのか。
アイドル崩れの人…うーんどうしても彼女がアイドルとして大成しているようには見えない!
「さあ、行きましょ!夕飯食わねば男の恥って言葉もあるじゃないですか」
「ないよ!?」


かくして、ディナーを食べ終わったボクたちでした。
そこそこ盛り上がったかもしれない。お互いに学園のおかしい人達について陰口を…じゃなくて話をしたからね。
「じゃあ、ボクはここで」
「えっ?」
あれ、なんかボク変なこと言った?予想外の反応されたんだけど。
「あの、私、帰りの電車がないんですけど…」
「え?だってまだ8時…電車あるっしょ」
「しゅ、終電は7時半なんです!」
「どこのローカル線それ!?やっぱ地方限定アイドルじゃん!」
「だ、だから…一緒に泊めてほしいなって…」
「なんだこの展開…でも今はクロえもんもいないし大丈夫かな」

「フッフッフ、男女不正異性交遊」

「今映像に映ってねーのにアフレコしてんじゃねーよ!!」
あ、これわかりにくい。文章だとすごくわかりにくい。




【彦プリ】
…熱を帯びたカンテラが、ロン彦のメガネを照らす。
「雰囲気を出すためですわ」という提案もあり、明かりはそれひとつ。

「おい、こんな暗い環境でギャンブルなどしたらイカサマもしやすいだろう!はい論破」
「むしろ超高校級のギャンブラーなわたくしに勝てる手段を一つ用意してさしあげたと思ってくださらないこと?」
プリンセスロンパは一筋の汗も流さない。冷静な眼でロン彦を睨んでいる。
「チェック系の奥義は使っていいのか?」
「あなたそれ一生に一度しか使えませんのよ?というか別作品のネタを持ち込むのはやめなさい?」
「むむ……では…降りよう。ツーペアだ」
「降りるんですの?あらあら、臆病ですわね。わたくしは役なしですわ」
「なっ…!くそ…挑むべきだったか…」


小休止に入った。
案の定、ロン彦はボロ負け。3日分の食事に出る魚wwwを全てプリンセスロンパに差し出すハメになった。
「もういい、俺は傷心だからもういい!俺は寝てるから、俺はもう寝る」
「あらあら」
「や!ややや!おいロン彦!お前僕のプリンセスのプリンプリ~~~ンの部屋に何入ってやがるんだ!ロン彦は死を以って償われるべきだ」
ここでデブ。
「誰が“僕の”ですこと?本当にそういうの、やめてくださらない?」
「おいデブ、お前より俺の方がプリンセスと仲がいいぞ。はい論破」
「ブヒ~~~~ふざけやがって!覚えてろ!独りで論破してろ!」
ここでデブ去る。

「ふぅ、ブサイク集団で息が詰まる想いですが、あなたは黙っていればそこそこのイケメンですわね」
「何だと?いきなりそんな目で見つめてお前も論破されたいのか」
「喋り出せばロンパできてないのに何かとロンパ、おまけにすぐスメるただのワガママおぼっちゃまですから、問題外なのですけどね」
「…もういい、俺は寝る」
「あらあら」