鹿児島県伊仙町2.81
沖縄県久米島町2.31
沖縄県宮古島市2.27
沖縄県宜野座村2.20
長崎県対馬市2.18
 
平成20年~24年の5ヵ年の市区町村別出生率の上位5自治体である。鹿児島、沖縄、長崎と全て温暖な地方で占められている。なんと上位30位までみても、九州・沖縄以外は28位の滋賀県栗東町のみである。
 
実はその傾向は日本だけではなく、日本人がよく行く南国のグアムも2.37と高い。都市部ではない地方の中でも、北国と南国で違いがでるのはなぜだろうか。
 
都市部と地方では、物価や大学進学率、実家との距離など明確な違いがあるので説明がつく。それが北国と南国では同じような条件にあるにもかかわらず、気温によって出生率に差がでるというのは不思議だ。
 
アフリカの発展途上国ならば多産多死であるので、生き延びる確率を考えれば説明はつく。子どもは重要な家計の担い手であるので多産であることは合理的なのだ。
 
しかし、九州・沖縄は確かに県民所得は低いかも知れないが、乳幼児の死亡率が都市部に比べて高いわけでもないし、子どもが家計の担い手となっているケースはほとんどないだろう。
 
都会の忙しない雰囲気があるわけでもなく、乳幼児死亡率に差があるわけでもない。人口あたりの小児科医の数に開きがあるわけでも、学力や失業率が要因なわけでもない。
 
実は内閣府も理由は明確にはわかならいとしている。
 
内閣府の資料によると

 

「東京圏や政令市などの大都市部では、平均初婚年齢や第一子出生年齢について都市が所在する都道府県や全国平均のそれらより高い状況である。こうしたことは、出生率の地域差の要因の一つと考えられる。

一方で九州・沖縄地域は出生率が高く、出生率の低い北海道・東北地域は出生率が低いことについては、その理由は明確でない。」

 

と記載されている。

 

そうなると、もはや地域の風土や価値観としかいいようがない。確かに九州では赤ちゃん連れはよく声をかけられる。声をかけられない場合でも微笑ましい眼差しを向けられることが多い。もちろん北海道ではどうなのか、東北ではどうなのかは分からないが、明らかに赤ちゃんに対する反応が東京とは違う。

 

方言からもどことなく緩さが伝わってくることから分かるように、暖かい地方はどことなく社会がギスギスしておらず、いい意味で緩く寛容な社会を形成している。

 

また上位5位の自治体の共通項はどこも海がキレイな点であり、キレイ海はリゾート地の開放的な雰囲気をかもし出すので、それが子育てと親和性が高いのかも知れない。

 

もし、赤ちゃんを煩わしい存在として見るのではなく、微笑ましい存在と社会全体が思ってくれるのならば、二人目の壁が小さくなり、それが出生率にも影響を与えるだろう。

 

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