妄想族 二番目に高い料理を注文する人
男性が何人かの若い女性を
レストランに連れていき

「今日は何でも好きなものを
注文して下さい」
と言って、ご馳走をする
場合があります

彼が彼女たちに
ご馳走をする義務が

あるかないかは、
まったく関係ない

年上の男性が食事を
ご馳走する時は

女性に「甘えられて」
わがままを言われても

仕方がないし

またそれを

期待する向きもあります

しかし、中にはとびきり
高価なのを注文する人がいると

ちょっと鼻白む思いに
なります

もちろん、
好きなものをどうぞ

と言った以上は

一番高価なものを注文されても

仕方がないと覚悟はしています

白けた気持ちにならざるをえない

甘えられるという甘美な
気分が忽然と消えうせて

「強奪」されたに近い
感じを受けてしまうからです

そうなると、
それまでは可愛く見えた顔も

途端に可愛くなくなります

自分は「好きなもの」
とはいっったが
「高価なもの」とは
いってはいない

その料理を彼女たちは
本当に好きなのだろうか

それとも高価だからというだけで

注文したのではないだろうか

などと考えてしまう

彼は突如として
下衆の勘繰りをする男に

成り下がってしまうのです

そんな時

逆にメニューを見ながら

あれこれと選択を
楽しんでいる人がいると

救われた思いがします

選ぶのを心から
楽しんでいることが伝われば

それがご馳走してくれる
人の好意に

対して一番報いることになるんだよ

また、そういう人は

「これにしようかなぁ」
などといいながら

勘定を持ってくれる人の同意を

それとなく確認しようとします

そのような人には

率直なさわやかさがあります

料理の選択には控え目でいながら

積極的に楽しもうとする態度は

食事の席を一層明るく
楽しいものにしてくれます

男性からすればご馳走を
しようとしているのであるから

遠慮ばかりされたのでは

せっかくの好意が
台無しになります

しかし相手の懐具合について
多少は

考えなくてはならないんだよ

たとえ相手が金持ちであっても

それはまったく同じです

金は使うものです

人の金であっても
自分の金と同じように

大切に考える心がけが必要です

そのうえ、女性は十分に楽しみ

相手にも楽しんでいる
ところを見せるのが

可愛い対応の仕方だからね
