妄想族 タイトルなしで
人はいつまでも前だけを向いて

生きていけるものでは
ないのです

過去を振り返り

立ち止まることもあります

もちろんそこに留まり続けるのは
愚かなことですよ

私たちのベクトルは

やはり未来を向いているからです

でも時には過去の物語の中に

身を置いてみるのもいいと思うよ

それは子供の一人遊びにも似て

成長するためには

必要なことなのかもしれませんね

ずいぶんと大人になって
しまってから

そう思うのでしょうか

そんなふうに思えるように
なるまでに

いくつもの痛い思いをしてきたことが

嘘のように感じられて
しまいます

‘時‘が一番の
薬なのかもしれないね

ワインが時によって
熟成されるように

人生に起こる出来事の
一つ一つが

時の流れによって素敵な

そして意味のあるものに

変容していくことを
願っています

ワインが作り手の技量に
大いに左右されるのと同じように

出来事も想い出の作り手
その人にかかっているんですよ
