妄想族 片想い
片思いは至福の時間

アナタがそこにいてくれる
だけでいい・・・・・
それだけを願えるなら

これほど純粋になれる時間は
ないかもしれないね

似ている背中に振り向き

何を見てもその人を思いだす

美しいものに心は震え

音楽は心の奥まで響き、
染みる

もしもアナタがそこにいて
くれたならそれだけでいい

ただただそう思えるなら

片想いは手放しがたいもの
かもしれないね

けれど、
人の心は川の流れのように

留まることを知りません

片想いのその先が欲しく
なります

自分の気持ちを伝えたい

と思うように
なるばかりではなく

わかって欲しい

受け止めて欲しい

と望むようになります

それは苦しくて

少しせつない

けれどそんな感情も

心を育てる素敵なレッスンに
なります

片想いも相思相愛の恋も

見つめるのは相手ばかりでは
ないのかもしれません

もしかしたら見つめている
相手の向こう側に

自分の心を見てしまうのでしょうね

情熱という名前の刃を
振りまわすように

恋をしていた頃を過ぎると

誰にも告げず

相手にも何も告げないまま人を

愛することができるように
なるものです

その人の家のそばを通ると思いだし

電話で話す機会があれば

少しばかりドキドキしながら
話をしている

誰に嫉妬するわけでもなく

ただただその人を思い

幸せになって欲しいと願う

そんなふうに誰かを想うことが
できた時

アナタは自分が少しは大人に
なったと思いましょう

そして、通り過ぎた、
いろいろな出来事が

色あせることなくそれぞれの時代で

輝いていたことを
知るんですよ
