妄想族 「せつなさ」の正体
せつなさというのは、
不思議な気持ちだと思う

淋しさや悲しさのように
わかりやすくはないし

言葉で説明を求められても

はっきりと答えなれない
から困ってしまう

それに人によって
受け止め方も様々で

ある人は淋しさによく似た
気持ちかもしれないし

ある人にとっては悲しみの

ひとつの形になっているかも
しれない

たとえばね

触れられそうで触れられない

その指先と何ものかの距離を

せつなさと呼ぶのかも
しれないね

抱きしめているのに

どうしても手に入らないもの

ひとつになりたいのに

決して体も心もひとつに
なれないこと

取り戻せない時間

なのに昨日のことのように
輝いている出来事

そんなどうにもならない
何ものかとの隙間が

とても愛しくて

とても素敵で

とてもせつない

時の流れという縦糸と、
いろんな出来事や

気持ちの横糸が描く
つづれ織りみたいなもの

せつなさは言葉では
表わせない

ただただ、心にしんと
感じるものです
