妄想族 さよならの重さ
恋が終わる時

さよならの鍵を
握っているのは一人

「さよなら」を
切り出すのは一人です

お互いにその予感が
あったとしても

言い出すのはどちらかです

さよならを告げるほうも
告げられるほうも

どちらも痛い

どんな出来事が
あったとしても

二人が離れなければならない
どんな理由があったとしても

愛し合う二人が、
かつて愛し合った二人が
離れていくというのは

とても重い

さよならという一言で

思い描いていた
未来が消え去る

あたたかい気持ちで
思い出せた出来事が

本当に過去のものに
なってしまう

まわりの世界の色が
突然モノトーンになる

「さよなら」
これほど人生を変えて
しまう言葉があるだろうか

さようならという言葉は

愛も孤独も憎しみも
嫉妬もそして希望も

いろいろな思いを
吸いこんでいて

言葉と心が悲しいくらいに
一つになっている

どんな恋愛であっても

別れ方は大切だと思うよ

出逢いと同じくらい

いえそれ以上に
別れ方には心を砕きたい

誰も傷つかない別れはない

どんなに前向きな気持ちで
別れることに
なったとしても

そこに行き着くまでには
二人とも辛い思いをして
います

さらに相手を傷つける
ようなことをするのは

それこそ想いでまでも
台無しにしてしまいます

二人でわんわん泣きながら
恋人と別れた友達が
いました

どうにもならない二人の間に
横たわる溝が悲しすぎて

乗り越えていけない
自分たちの弱さが情けなくて

二人で泣いたという

そんなふうに泣けるのなら

続けていけたのではないか

と思うけれど、
男と女の間には

どうにもならない何かが
存在するのも事実だと
思います

別れ方に正解も
不正解もないのかも
しれないね

でも、
どんなに傷つけ合って
別れても

その恋から受けた恩恵を
しっかり抱きしめたいですね

そして別れた恋人に

「ありがとう」と
心の中でも言えた時に

その恋は人生の宝物に
なると思うんだ
