妄想族 ①「好き」なのに、何故?② 始まりはいつ
①
こんなに好きなのに

どうして好きなだけでは
いられないのでしょうか

恋しさは淋しさに
よく似ていて

逢いたい想いも淋しさに
似ていて

私ひとりを見つめて欲しくて

愛する人を
独り占めしたくなって

やがて淋しさから
ヤキモチが生まれて

そんな恋の渦巻きに
巻き込まれそうな時

ヤキモチ何て知らないよと
見上げた空の青さが
なんだか悲しい

②
大好きな人の瞳の中に

とまどう自分を見つけた時

流れの速い川に
押し流されていくような
感じがした

片思いでなくなった時

そんなふうに喜びと悲しみが
同時にやってくる

アナタは川の流れに
逆らって

水面に張り出す枝を
つかもうとするけれど

指先に弾けて小さな
痛みが残るだけ

だけど同じ流れの中のいる
あの人を見つけた時

私はあの人の気持ちを
知ってしまいました

思わず手を差し伸べて
つかもうとしますが

手から水が流れるように
あの人は瞳の中から消えていく


