妄想族 インディペンデント
何でも自分で

できる大人に

なりたいと思っていた

つまりインディペンデントです

一人でいることを
(もちろん二人でいることも)
楽しめる。
20代の頃は「憧れ」が

そんな思いを後押ししていた

もっと自立している人は

多くいたが、
それでも自分は十分に

自立した人間になっていたと思う

バブル時代だ

誰かに雇用されなくても

生きていけたし

自分の考えは

はっきりとしていた

そんな自分の「自立さ加減」に

疲れてしまっていることに

自分は気づいていなかった

30代を過ぎて、
誰にも頼ることのない

自分を感じた時、
自分は深い孤独感に陥った

それまで自分が光の中に

いると思っていたのは幻想で、
実は孤独の闇の中に

いたことに気づいた時、
私は焦りというよりも

絶望にも似た思いを感じた。
誰にも頼らない鎧のように

常に自分を律する

40代になり

一人で生きていくということは

果たしてそういうことだろうか

十分にインディペンデントでありながら

誰かに心を委ねることも

共有することもできるはずだ

そう、
一人で生きていくというのは

誰にも頼らない

ことではないことではないのだ

いや、一人でなんて

誰も生きていけないということを

もっと早くに気づくべきだった

インディペンデントであることは

孤独になることではなく

自立しながらも他人と

心を寄せていられる

ということなのだと今は思う

どんなに頑張ったって、
一人の人間でしかない。
たった一人では生きていけない

一人で生きたくない、
心の底では叫んでいるはずだ

できないことだらけの

自分に気づいた時に

一番ほっとするのは、
きっと自分自身だろう

本当のインディペンデンスは

その気づきから

始まるのかもしれないね


