妄想族 誰かを愛するということ
もしも時間を消せる

消しゴムがあったら

過去の忘れたい出来事を

消してしまいたい

そんなふうに思うことも

ありマっする

でも、
もしも何かのきっかけで

記憶が失われたとしても

出来事として存在し続ける

ということは

愛したことも

愛されたことも

消えてしまうことも

消されてしまうこともない

確実にそこにありマっする

そう別れは二人のことを

消せないんです

ときめきがあって

恋する痛みがあって

泣いた夜があって

広い胸に耳を当て

その人が生きていることを

確かめた日があって

なんて素晴らしいことだろう

誰かを愛することができて

どれだけ嬉しかったでしょう

今、
その人はここにいないけれど

私は確かに一生懸命に

生きていたんだよ

心をパンパンにしながら、
自分のこと以上に

その人のことを思っていた

私の人生のある時期を

一緒に生きてくれた人

恋をすることは

本当に幸福なことだと思うよ

たとえそれが

悲しい関係の恋でも

悲しい結果になっても

人を愛することの意味は

別れよりもズーッと

大きいのだからね


