妄想族 大人になるということ
人は、傷つきながら

大人になっていくものです

痛い思いをすることで

何かを知るのです

それをくり返しながら

人の痛みを

理解できるようになったり

自分を深く


見つめられるように

なったりします

傷つくことで

何かの知恵が

生み出されることも

あるでしょう

だからといって

進んで自分を

傷つけることはないけれど

傷つくことを恐れずに

生きたいと思います

でも、
大切なことがあります

傷ついたのなら

傷を癒さなければね

傷ついたままでいることは

それこそ心に痛みを

抱えたまま生きて

いくことになりますよ

それは生きることを

不自由にします

時に癒されない傷は

淋しさになったり

悲しみになったり

勇気のなさになったり

怒りになったりします

癒えない傷がもたらした

そんな感情が

心の中に降り積もり

本来の自分らしさが

見えなくなってしまうものです

傷ついた経験のある人は、
もう傷つきたくないと思う・・・・
もう傷つきたくないから恋はしない・・
きっとそんな思いを

抱いている人は

多いことでしょう

恋をしなければ

傷つくことはない。
別れの悲しみもなければ、
鳴らない携帯を待つ不安もない。
そのかわり、
愛する喜びや愛される喜びもない。
誰かのために何かを

しているという充実感を

味わうこともないのです

傷ついた心に再び

愛する勇気を取り戻すには

癒しが必要です

心を癒すために、
その傷を見つめることです

少し辛いことだけれど

きっと一つの傷に

ストーリーがあります

相手がいるのなら、
相手のことを正直に、
客観的に思い出すのです

自分のことも

芝居でも見るように

少し距離を置いて

深く思い出すのです

そうすると見えてくるんですよ

傷ついてしまうまでの

ストーリーがね

そしてきっと気づくでしょう

自分もまた相手を

傷つけたことにね

そして相手が自分に

もたらしてくれた

様々なことをね

その傷の恩恵に気づいた時

過ぎ去った出来事の

意味に気づいた時に

私たちは一つ大人に

なれたのだとね

それは傷が癒えたという
ことでもあるんだよ

そのプロセスは決して

楽なものではないでしょう

傷が深ければ深いほど

その意味を受け入れるのは

大変なことだと思います

そうして大人になるうちに

私たちは
少しずつではあるけれど

強くなっていきます

少しくらいのことでは

傷つかなくなり

たとえ傷ついても

すぐに傷を癒せるように

なりマっする

気が強くなるんじゃないよ

心が強くなるんですよ

心がしなやかに

強くなっていくのです

それは大人になる

醍醐味の一つだと

思います


