妄想族 2
もしも時間を消せる消しゴムがあったら

過去の忘れたい出来事を消してしまいたい

そんなふうに思うこともありませんか

でも、もしも何かのきっかけで

記憶が失われたとしても

出来事として存在し続ける

ということは

愛したことも愛されたことも

消えてしまうことも消されてしまうこともない

確実にそこにありマっする

そう別れは二人のことを消せないんです

ときめきがあって
恋する痛みがあって
泣いた夜があって
広い胸に耳を当て
その人が生きていることを確かめた日があって

なんて素晴らしいことだろう

誰かを愛することができて

どれだけ嬉しかったでしょう

今、その人はここにいないけれど

私は確かに一生懸命に生きていたんだ

心をパンパンにしながら

自分のこと以上にその人のことを思っていた

私の人生のある時期を一緒に生きてくれた人

恋をすることは

本当に幸福なことだと思うよ

たとえそれが悲しい関係の恋でも

悲しい結果になっても

人を愛することの意味は

別れよりもズーッと大きいのだからね


