妄想族 淋しさを飼いならす人 2
黄昏はどきは何故人を淋しくさせるのでしょうか

昼と夜が溶けあう微妙な時間

夕焼け空がやがて青い闇に

覆われていく様子を見ていると

忘れていた想い出がよみがえったり

今ここに一人でいることが心に迫ってくるものです

誰かと一緒ではないという所在なさに

途方に暮れてしまうのかもしれませんね

不思議なもので

黄昏どきというのは恋人がいてもいなくても

人をうら淋しい気持ちにさせるものです

黄昏ていくのを眺めて思うことは

淋しさを呼び起こし、せつなさの琴線を弾く・・・・
黄昏ていく世界の中で自分はいったい何なんだろう・・・・
愛する人と自分を重ね合わせながら

長い夜を連れてくる黄昏の

紫色に包まれたものなのかなぁ

そんな気持ちになるのは

誰かを想っているからですよ

愛する気持ちと憎む気持が

裏腹であることに気づいたのは

いつのことだったんだろう

自分が愛する気持ちと同じくらい愛してほしいと願い

叶えられなかった時の絶望感

それは憎しみにすり替えられていくんです

そして同時に、愛することの

孤独を感じずにはいられない

愛し合うのは二人の作業でも

愛するというのは自分だけの心の中での作業

二人でいても孤独なことはあるんだからね

孤独は心を強くします

淋しさにまかせて誰でもいいから

誰かと一緒にいたいと望むのか

孤独によって自分の弱さを見つめ

心を磨き

本当の恋をつかんでいくのか

淋しさを味わうことも恋の一部

なのかもしれないね


