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今年も開発ストーリーのご愛読を宜しくお願い申し上げます。
直近までのあらすじですが、ヒューマン・エラーを防止するため、把手の長さをどんどん左右非対称にしていった結果、ついに把手の一つは退化し、把手はシングルになった、という話をしておりました。
さて、把手が一つになった事で、袋のあり方には、ある一つの大きな変化が生まれました。
それは、「袋のセンター位置の喪失」です。 どういう事か、まず現状のレジ袋から追ってお話ししてみます。
例えばここに、シール(袋の底の、熱圧着で生地同士がくっついている部分)の幅が24cmの、現行レジ袋があったとします。
そこに、タテ16cm長の弁当容器を収めようという時、バランスを取る為には、シール幅に対して左右(というか、前後というか)に各4cmのスキマが出来るよう、容器を配置すると思います。
同様に、もし容器長が20cmだったら、スキマは各2cmという事になります。
つまり、容器の中心は常に、この例で言うと、袋の左から(=右から)12cmのところに固定されます。
この事から、この袋のセンター位置は、常に固定された一定の地点(左右から12cmの地点)であると言えます。
(「当たり前だろう!」、って怒らないで下さいね。これがシングル把手の試作品の場合、当たり前ではなくなります。)
同様に、一つ前の考案「ブリッジタイプ」でも、形状こそ現状のものと大きく変えましたが、容器の中心位置は、常に左右の両把手の先端から同じ距離にある地点で固定されており、そこが「ブリッジタイプ」のセンター位置となっていました。
それが、今回のシングル把手モデル(後にクレーンタイプと命名)になると、何とそのセンター位置(=容器の中心が納まる位置)が、容器のサイズによって、期せずして随時可変してしまう事となったのです。
冒頭の現行レジ袋の例では、収める容器のサイズによって、2cmとか4cmとかのスキマが発生しますが、そのスキマが、容器を水平に固定しようという目的に対して、大変な悪さを働きます。
それに対して新しいシングル把手モデルは、強いて言うと退化した把手の方に設ける把手の通し穴部分が、容器の中心部と常に位置合わせされる「概念的」センターとして、位置固定されます。
そこを基点に、納める容器のサイズに合わせて、袋は容器を回り込むといいますか、織り込まれていきますので、収める容器のサイズに依存して、袋のセンター位置は常に可変してゆく構造となったのです。
例えば中の容器幅が2cm短くなったら、その分、袋の中心も2cmずれる事で、現状のものでは発生するスキマを作らず、袋は容器に常にピッタリとフィットし、容器の傾き発生を抑えるという、今までの袋には無かった、全く新しい調整機能を手に入れたのです。
(実は、今でこそ理路整然と説明出来るようになりましたが、考案した当初はこのようなメカニズムが自分で説明出来ませんでした。そのあたりの経緯は、追って触れる予定です。)
という事で、シングル把手タイプは、レジ袋で初めて「センター概念を喪失」させた事で、究極の水平キープ力を手に入れる事になったのでした。
今回はこの辺で。ちょっと説明が難しかったので、今回は書くのに苦労しました…。
次回の開発は「退化した把手は、遂に穴となり」の予定です。
宜しかったらまた、覗きに来て下さい。