AM12:30
亜 もう、何なのよ?こんな時間に呼び出して
近 あ、いらっしゃい、待ってたヨ!…(笑顔)
亜 あ、何かワケ有りな笑顔だ…(呆)
近 あの、亜季ちゃん…悪いんだけど、またコレお願いできるかな?(項垂れている織田沢を指差す)
亜 ゲェッ!またここで潰れてるの?
近 でも、今日の酔い方は珍しいよ…?何か、よっぽとショックだったんだろうね…?(苦笑)
亜 あの、あたしって何なの?この人のアッシー…?(苛)
近 まあまあまあ…(苦笑)
近 ちょっと、聞いててみ?さっきからグダグダ何か面白いコト言ってるから(笑)
亜 ん?(聞き耳を立てる)
織 俺の、面影なんか…どうせ誰にも踏まれもせずに消えてくんだよ…(ブツブツ言う)
亜 ホントだ、何言ってんの?…(苦笑)
近 …昭和から平成への最後の愚痴かな?
織 この際な、おんしに言っちょ〜が、わしゃ、あげに悪うもなれんのや、たっすいが…まっことの小心者なんっちゃあっっ…!!(大声)
亜、近 はあ?…何だって?…(目を合わせて笑う)
近 コレ、面白いから録音しとくか…?
亜 何で?
近 この戯言、多分、売れるぜ?…(悪い笑顔)
亜 …?
近 まあ、取り敢えずメモしときな…?(笑)
亜 わかった… (メモに書く)
亜 あ…この酔っ払いの迷言を、もしかして詩にするってんしょ…?(視)
近 正解…!でもま〜この後のアレンジはお前さんの腕次第だな?(笑顔)
亜 やだな、パパって、悪いヒトね…(想像してニヤニヤ笑う)
近 あはは〜、パパになったり…ママになったり、俺って、一体何なんだろうな?…ま、いっか!(苦笑)
織 …ウーン (起)
近 あ、先生、今日はもう言いたいコトは無いか?
織 …何?…俺いまナニやってたんだっけ?
近 無いみたいね…(苦笑)じゃあそろそろ帰りましょ、美人サンが迎えに来てるよ?
織 は…?いねーだろそんなの
亜 …っ(苛)
織 …そうだよ、全部ウソ!いないいない、いないのヨ、そんなの!理想を歌詞にして何が悪いんだよ!?…それが売れない原因?ウルッセーんだよ!!自分でもわかっとるわ!!(またブツブツ言い始める)
近 まだ、あったみたい…(驚)
亜 …(苦笑)
近 じゃあ亜季ちゃん、ホント悪いネ…杏果には玄関ロック開けとくように言ってあるから…ゴメンな(片目を瞑って顔の前に手のひらを立てる)
亜 わかったわよ、この貸しはいつかキッチリ回収させて貰うからね?
近 あ、センセーにツケといてよ(苦笑)
亜 …了解、センセ、早く行ってヨ!(織田沢の足を蹴る)
織 痛ッたい!…おン前、覚えてろよ?(フラフラ歩く)
亜 あ、パパ、中々面白そうな提案してくれてありがと…!(目を瞑って口を尖らす)
近 イエイエ、どう致しまして…!(ウインクして受け取る)
(車の中)
織 サーむい…(震)
亜 寒い…?今夜は、比較的暖かいはずだけど…
織 あ、ホント…?何でだろ…
亜 …暖房入れるわね?
織 …暖ったかぁ…ありがと
亜 ハァ…(ため息) あたしは一体こんな時間に何やってるんだろう…?
織 …(即寝)
亜 安心しちゃって…殴りたくなる寝顔って、正にこのことね…(呆)
織 …(落)
亜 あのさ、これって男女逆じゃないの?これじゃまるであたしがオッサン家に持ち帰ってるみたいじゃん…(嫌)
織 オイ、コラ…お前、俺をナンダと思ってんだよ…?(起)
亜 …は?(驚)
織 …長土、全部、ジョークにしてんじゃねーぞ?…俺の人生いったい何だと思ってンだよッ!!(ブツブツ言う)
亜 …(まさかの、突然の社長へのクレーム)
織 俺は、どこでケジメ付ければいいんだよ…?教えてくれよ…?
亜 …(呆)
織 …痛ッ…
亜 ?
織 イィ痛タタタタタタッ!…(腹部を押さえる)
亜 えぇっ?ちょっと…大丈夫?!
織 あ…マジで痛い…亜季、俺、このままやりたい音楽やれないまま死にたくないよ…(冷や汗)
亜 …織田沢さん、オーバーだよ、今、病院に向かうから!
織 …(ヤッバ、こりゃマジでイカン…)
亜 ねえ、しっかりしてよ?!
織 ちょっと、水ちょうだい…!
亜 あ、はい…!(渡す)
織 (咽びながら水を飲む)
亜 …
織 (助手席でしばらく項垂れる)
亜 大丈夫?…落ち着いた?
織 …
亜 もうすぐ、病院だから
織 さ…さむっ…(震)
亜 また…?(驚)
織 …
亜 (暖房を上げる)
織 …
亜 …
織 …あ、治った
亜 …治った?
織 ウン…大丈夫…OK、OK!(起き上がる)
亜 ちょっと!…OKなワケないでしょ?あんなになってたのに!早く病院行けよ!
織 いやいや、良くあるんだよ、心配ないって…
亜 …さっきの、何だったのよ?死にたくないって言ったじゃない?
織 あ〜…アレはちょっと、オーバーだったナ!(水を飲む)
亜 オイ、ふざけんなよ…?オッサン…(苛)
織 は…(怖)
亜 毎日毎日、どっかで飲んだくれてんじゃないワよ…!いい加減にしなさいよ?そんなに毎日嫌なら仕事辞めれば…?(苛)
織 …
亜 ていうかさ、時代が変わったんだか何だか知らないけど、自分のやりたいコトをまずやりなさいよ?長土が何なのよ…?いい歳なんだからもう昔のこととか関係ないでしょ?自分の人生じゃん…!
織 …ナニ、怒ってるんだよ?
亜 …てか、ホント病院行け!(泣)
織 …亜季ちゃん、泣かんでも…(呆)
亜 あたしがね…ずっと、どんな気持ちで…!
織 アッ…痛っ…(腹部を押さえる)
亜 …!
織 イテテテテテ…
亜 ちょっと、冗談抜きで!早く病院そこだから…!(心配)
織 …なーんって!嘘ぅっそーー…(笑)
亜 …はぁッ?!(怒)
織 帰ろうぜ、なんかオマエのこの水で治ったかも…?(飲)
亜 は…?…じゃあ、その水の料金置いてってよ!(苛)
織 …可愛くないねー…(苦笑)
亜 ほっとけよバカ!誰のせいなのよ?!とにかく、明日は病院行って検査ぐらいしなさいよ
織 明日は、確か時間ねーかな…?(呆)
亜 は…?あっそう(苛) 今度はもう助けないからね…?
織 大丈夫だって…そのうち行くから!(苦笑)
亜 ねぇ、何でそこまでしてこの会社に尽くすのよ…?普通じゃないでしょ?ずっとこんな生活してて
織 そんなこと言われてもサー…
亜 別に、例え事務所辞めたってもう困らないじゃない
織 いやー…昔、死にかけの俺を拾ってくれた社長への恩返しだよ、だって…売れんかったんだから、それしか今出来ること無いやろ?
亜 それで、結局、今も死にかけてんじゃん…(呆)
織 まあ、それは拾った相手が、チョイと悪かったんだな…!(苦笑)
亜 …は?チョイとじゃねーだろ、もう死ねよ、ハゲ!(苛)
織 オイ…!ハゲは余計くないか…?!(悲)
亜 …心配してんだヨ!これでももう、ずーっっとな!?
織 あ、あの…心配してくれてるのは有難いんだけど…だんだんお口が酷くなってきてませんか、女の子なのに…そういうの傷付くんだよ俺、こう見えても繊細なんだからね…(怖)
亜 …繊細とか、どの口が言ってんのよ?(呆)
織 とにかく、今日はスマンかった…また今度埋め合わせはするから…
亜 そんなことよりも検査してよ、ついでに脳波も検査して貰いなさい?きっと異常だと思うわよ?
織 ど、どいひ…(苦笑)
亜 でも…織田沢さんも結構、中身はずっと傷だらけなんだね…
織 は?まあ…そうなのかもな?ホドホドな感じにな…(苦笑)
1993年
8月某日
東京港区某所
某レコーディングスタジオ
亜 どーも、お久しぶり…!
池 あぁっ!姐さん、お久しぶりです…!!(笑顔)
亜 姐さんて言うな…(苦笑)
池 イヤ〜すっかり外暑くなったよね!今日はホント来てくれてありがと!亜季ちゃん(笑顔)
亜 そりゃ、暑くても来ますよ、仕事だもん…(ブースに入ってヘッドホンをする)
池 アレ…?なんか、しばらく会わない間に超綺麗になったかな?
亜 おだてても実力以上の声は出ませんので…(呆)
池 え、ホントなのにな〜?(苦笑)
亜 (ブースの中からOKサインをする)
池 それじゃ宜しくお願いしまーす!!
スタジオ内に『Memories』が流れる
池 お疲れ様でした!良かった〜最高!(親指を立てる)
亜 お疲れ様でした…(帰る準備をする)
池 え、何か久しぶりに会うのに連れなくない?(苦笑)
亜 そう?…別に?
池 …俺、なんかした?
亜 あたしは単なるコーラス要員で呼ばれて来ただけで、これ以上の用なんてないでしょ?(視)
池 その言い方、なんかトゲがあるなぁ…(苦笑)
亜 ったく、どいつもコイツも…(ブツブツ言う)
池 今日、この後はもう時間ないの?
亜 …ん?別にそういうわけでもないけど…じゃ、またプロテインでも奢ってくれる?
池 ハハアッ!何本でも!喜んで!!(笑顔)
東京港区
某スポーツジム
亜 …じゃあ、久しぶりに思いっきりイクからね?(グローブを着ける)
池 大丈夫だよ!しっかり押さえてるから!!(サンドバッグの後ろに隠れる)
亜 ほんっと、ずっとウップン溜まってたのよね…!アンタが黙って逃亡したからさ…(睨)
池 だ、黙って逃亡…?ソレは無いんじゃない…?!(悲)
亜 …黙りなさいヨッ!(突然、ワンツー打ちする)
池 うわっ!亜季ちゃん…プロボクサーでも目指してるの…?
亜 は?
池 いや…パンチがやたら、前より本格的になってるな〜と思って…こんな強いワンツーは男でも中々無いって!(ミット打ちじゃなくて良かった…)
亜 何でも…本格的を目指すのがあたしなのよッ!(サンドバッグに思いっきりパンチを打つ)
池 うわ〜おぉ、カ、カッコイイ〜!…(声が裏返る)
亜 あ〜、スッキリした!
池 お、お疲れ様でした〜!(ドリンクを持ってくる)
亜 ありがとう、コレもちろん池本ブレンドだよね?
池 当然ですヨ、今日は美容的にも効果抜群なものを入れておきました…!(笑顔)
亜 サンキュ〜、気が効くじゃん…
池 何か、こうやってジムに居るのも久しぶりだなぁ…
亜 今 3rdシングルなんだっけ?…何かと忙しそうだもんね?
池 全国の営業回り行くのも中々楽しいけどね〜…でもやっぱ、俺を作った原点はここかな…って思うよ?
亜 多分、あのまま此処に入り浸ってたら今ごろ絶対このジムのトレーナーになってただろうしね…?(視)
池 イヤイヤイヤ…(苦笑)
亜 恋も仕事も、順調そうでなによりじゃない?
池 あはは、それは貴女だって…?
亜 ハ?…(睨)
池 あ…(苦笑)
トレーナー 池本くーん!久しぶりー!!
池 あっ、どうも〜ご無沙汰してます〜!(笑顔)
ト …元気そうだね!(笑顔) 今度、このジムのイメージキャラクターでもやって欲しいなぁ、会員増えそうだし!(笑)
池 あ、それいいなぁ…!事務所が許可してくれたら…(苦笑)
ト あ、大黒さんもお揃いで…!あのさ、丁度いいって言ったらアレなんだけど、今日発売の週刊誌、見ました?
池、亜 え?
ト ガセだと思うけど…ちょっと心配になっちゃって…コレなんだけど…(2人に週刊誌を見せる)
【Beling社長 長土大幸に5人の愛人疑惑、女優、モデル、歌手…社内不倫関係も発覚か?!】
池、亜 ?!…(驚)
池 ちょっと見せて…?(週刊紙のページを開く)
池、亜 …(読)
池 …(目眩)
亜 しっかりしてよ…!たかが週刊紙よ?
池 …そ、そうだね…!
池 (坂瀬に電話をかける)
【この電話は電源が入っていないか、電波の届かない場所に…】
池 …(茫然)
亜 ちょっと、この世の終わりみたいな顔しないでよ…?(呆)
池 ナンデ…?何でこんなのが今更…?
亜 きっと…嫌がらせに今更もクソもないんじゃない?
池 …坂瀬さん …(心配)
大阪府某所
Belingビルの一室
PM12:00
長 (電話中)
長 ああ、その事なら心配するな…もう次の手は打ってある…
織 『次の手…?』
長 オマエ…さっき送った詞を見てどう思う?
『タイトル 【もう少し、あと少し…】』
織 『…(読)』
長 なかなか、良く出来てると思うんだが…
織 『…』
長 いつかこうなった時の為に、実はコレを用意させてあった
織 『…』
長 まあ…言うまでもなくこの記事はアチラ(burming)からの嫌がらせの一環だからな…?
織 『…』
長 前回の…上住が中山美帆をどうとか、いう記事はまだ笑って済ませられたが、今回の記事は、正直今更どうしようもないんでな…(苦笑)
織 『…』
長 それで、今回はその記事掲載を逆手に取るんだよ
織 『これを、ZAROの新曲にするんですか?』
長 まあ、そういう事だな…
織 『でも、もし今このタイミングでこれを発売したら、確かに売れますね…?』
長 …坂瀬も、納得してやっている事だから、その辺はお前達も理解して欲しいんだが…
織 『…この詞は、坂瀬さん本人が書いたんですか?』
長 まあ…俺との共作ではある、が、そういう事にしておく…という話しだな?
織 『…(呆)』
長 そこで…この詞に付ける印象的なメロがひとつ欲しいんだが、お前、何か良いアイディアは無いか?
東京港区某所
坂 (電話中)
坂 エ?…信じられない、断るなんて、(呆)
織 『あのな…信じられないのはコッチだよ、お前は一体何考えてんだよ?』
坂 会社を助けるためじゃない、これで他の事務所に迷惑かけることなく丸く収まるの…
織 『でも、これはマズイだろ…?』
坂 どうして?
織 『もっと、何か、違う方法あるだろ?』
坂 …今さら何言ってるのよ?織田沢さんが断ったところで、他の人が曲を付けるだけなのよ?
織 『オマエ、おかしいぞ…?』
坂 アナタに言われたくない…(呆)
織 『オマエいつからそういう人間なんだよ…?』
坂 え?
織 『昔は、グラビア掲載ぐらいで泣いた奴が…今じゃ堂々とある事ない事書かれようが平気ってワケか…?(呆)』
坂 人のイメージって、歌う曲次第でいくらでも変わる、貴方が最初にそう思わせてくれたんじゃない…
織 『…は?』
坂 今回はZAROの新しい曲のイメージが、たまたまこういう(不倫っぽい)曲になったっていうだけ…だから、次からはまた新しく創ればいいでしょ?
織 『…』
坂 私たちが何の為に組まされたと思ってるの?…こういう時の為なのよ?最初からそういう事なの
織 『…(呆)』
坂 だから、次からはもう断らないでね…?
8月某日
東京港区
PM 9:30
某店
亜 ナニしてんのよ?こんな場所で1人で飲んで…
坂 亜季ちゃん…
亜 もう、いつもの場所に行けないんだ…?
坂 …そんな事ないけど、何となくね…(苦笑)
亜 隣、ご一緒してもいいですか…?
坂 当たり前でしょ?…(苦笑)
亜 …でも…凄いよね、坂瀬さんって…アタシがもし社長の愛人の1人って言われて…他の事務所の愛人関係をカモフラージュするために、後処理的な曲を出せなんて言われたら、速攻で辞めるわ…(苦笑)
坂 だって、愛人じゃないもの…(苦笑)
亜 そんなふうには世間はもう思わないじゃない…
坂 大丈夫よ…?亜季ちゃん、長土さんは色々考えてる…
亜 …そうなの?
坂 …ウン
亜 そういえば…例の彼氏クンの方はこのまま心配させっぱなしでもいいの…?
坂 …そのことだけど、このまま私と付き合ってても、池本くんにとっては、何のプラスにもならないから…
亜 …
坂 このこと、まだ、彼には内緒にしてね…?