第10回「明日の教室大阪分校」炭谷俊樹さんの講座のお知らせ | 明日の教室大阪分校通信

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「明日の教室」とは、京都橘大学で糸井登先生と池田修先生が行われている若手教員・教員を目指す学生が学ぶ教育研究会です。
このブログは、代表の川本とよく参加してくださる仲間と複数で更新しています。

明日の教室大阪分校は、基本的に2か月の土曜日です。
今回は、3か月連続で、日曜日です。
2月19日(日)13:30~16:30です。

11月のラーンネットグローバルスクールに行きました。
衝撃を受けました。
炭谷さんの話をどうしても聴きたい、みなさんに聴いていただきたいと無理を言ってお願いしました。
教育は今大きな変換期、過渡期です。
ラーンネットグローバルスクールの実践から学ぶべきことがたくさんあります。
ラーンネットグローバルスクールのHPや炭谷さんのメールマガジンをぜひ読んでみてください。
炭谷さんのメールマガジン「第3の教育」144号を引用させていただきます。

~引用開始~

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■ 偏差値型から探究型の教育へ
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 東日本大震災の前、東京では高層マンションが人気であったと聞く。
 それもより高い階の方が人気であった。しかし地震での揺れや停電を
 経験した後、相場が暴落したと言う。これは何を意味するのだろうか。
 読みが外れた、あるいは運が悪かったのだろうか。私には、より深く
 我々に根付いた価値観の象徴であると思えてならない。

 我々は子どもの頃から競争に勝ち抜くことを求められる。より良い学校、
 より良い会社に進むことを親や教師は期待する。少々乱暴だが、分かり
 やすくするために、これを偏差値型の価値観と呼ぼう。より高収入を得
 たい、より高い階に住みたい、というのも偏差値型の価値観と言えないだ
 ろうか。偏差値型の社会の中では、勝ち組、負け組が生まれる。

 私自身も偏差値型の社会の中で、取り立てて疑問もなく育ち、戦ってき
 た。しかし約20年前、偏差値重視の日本とは大きく異なるデンマーク
 という社会を体験して大きな衝撃を受けた。そこでは、押しつけでなく
 各個人の独自性を尊重し、見守り育む、つまり、人間の尊厳を尊重する
 ということが何より大切にされていたからだ。そして帰国した翌年、
 追い打ちをかけるように神戸で阪神大震災に被災したことで、私が抱い
 ていた日本社会の価値観はさらに揺さぶられることになる。「私は何の
 ために頑張ってきたのだろう。そもそも何のために生きているのだろう」。
 思い悩んだ末に、勤めていた会社を辞め、偏差値型ではない、新しい
 考え方の教育を始めたいと思い立った。

 私はこの新しい考え方を探究型の価値観と呼んでいる。競争や序列を
 気にするのではなく、自分が人との関係や社会の中で何をなしたいのか
 を考え、能力を磨き、実行する。例えば、料理を作るのが好きな人は、
 自分なりの料理の腕を磨き、食べる人が美味しく食べてもらうことで喜
 びを感じる。また、建築家や大工なら、住む人が幸せを感じてもらえる
 家を造ることで喜びを感じ、誇りを持つ。言い換えれば、1人1人の
 「自分らしさ」を前向きにとらえる価値観だ。

 そして、私は96年に「ラーンネット・グローバルスクール」という、
 小学生対象の探究型スクールを神戸に創設した。ここでは1人1人の子ど
 もの探究心を尊重し、体験を重視した教育を行なっている。創設当時の
 子供たちは今や大学生となり、それぞれの生き方を探究し続けている。
 また、私は昨年より神戸情報大学院大学の学長も勤めている。ここでは
 学生たちがICT技術を学び、自ら社会問題を察知して、課題に対する
 解決策を立案・実行できるよう探究している。

 日本は高度成長の歪みと言える社会問題を多数抱えていた。震災により、
 その問題の大きさがさらに顕著になっている。今こそ高度成長を支えた
 偏差値型の価値観を再考し、新しい生き方の一歩を踏み出す好機ではな
 いだろうか。

~引用終了~

今回は増席はしません。
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