住宅新報に連載されている記事で毎回とても興味深い問題提起と論拠があるのでそこからご紹介します。
『時代的住まい論~子育て賃貸で少子化に歯止めを』
住宅・不動産業の今日的役割とは何か?
最大の使命は、子育て支援だと思う。高度経済成長やバブル経済時代の不動産業は、箱モノ産業としての役割が否めなかったが、そうしたハード面だけで経済に貢献できる時代は終わった。
ソフトやサービスとセットでなければ、時代のニーズを満たすことが難しくなっている。逆に言えば良質なソフトやサービスを備えた不動産に対する評価が今後高まるはずだ。
そのような不動産の象徴的存在としてあるのが、子育て支援型の賃貸マンションだと思う。
何のコンセプトも持たない、土地所有者の節税対策を主眼とした従来型賃貸マンションやアパートに業界が力を注ぐ時代も終わった。
今こそ、不動産業は少子化に悩む日本を再生するため【子育て応援型住宅】の供給促進に努めるべきである。
子育て支援をコンセプトにするマンションは分譲ではなく賃貸が適していると思う。
子育て期間をせいぜい15年とすれば、十数年サイクルで住み手が交代していく方が子育てマンションとしての機能を発揮し続けることができるからだ。
幼児から学童までの保育機能を備え、駅と一体化した(ただし高層化は疑問)人工地盤でもいいので広々とした公園がある賃貸マンションが供給されれば、共稼ぎ夫婦には大きな支援となるのではないか。
子育て支援型賃貸マンションに対する容積率割り増し制度や、家賃補助制度を導入することで、若い世代が低廉な家賃で良質な賃貸住宅に住みやすくなる。
公的資金を導入した場合は入居条件の厳格化が求められるから、併せて定期借家権契約を前提とすることも必要である。(本多信博氏)
一部割愛しています。2世代よりも3世代、と多世代型住居の開発も進んでいますが、やはり都会に住むには他者による子育て支援がないと大変です。困っている人は本当に沢山いますから、ぜひこのようなコンセプト賃貸住宅が普及することを願います。震災後、コミュニティの大切さは往々に叫ばれていますがこうして具体的に先進的に実現化していくよう不動産業者としてもがんばります!
あすなろの杜ワークス