住宅ローンに対する考え方で興味深いご意見をみつけたのでご紹介しておきます。
『20年で資産価値が半分になってしまう住宅を、30年ローンで買っても大丈夫でしょうか?』
こんな質問を投げかけられたら…
■所有していた住宅を買い替えた人の平均売却損額は?
~築15~20年以内の建物の場合~
2614万円
⇒購入時5000万円だったとすると半分以下に値下がりしたことになる。
~築5~10年以内の物件ではどうか?~
444万円
(FRK不動産流通業に関する消費者動向調査2012年度より)
■成約価格データでみると?
築15~20年の中古マンション価格は新築のほぼ半分に値下がりしている。
⇒これらはバブル崩壊から数年後の’91~’95年竣工のものなので、売出価格は相当高かったはず。資産価値下落率が大きいのはやむを得ない。(レインズ調べ)
■住宅ローンの側面からみると。。。
住宅ローンは「元利均等返済」の場合、毎月返済額のうち元金返済に回る割合が当初は低く、10年目でようやく5割程度に達する。
ということは、仮に年間返済額が100万円だとすると、元金返済に回っているお金は50万円未満だから、元金が減る以上に資産価値が(※1:年間60万円)目減りしていることになる。
本来、住宅ローンの元金返済は、完済すれば住宅が名実共に自分の資産になることから「貯金」のようなものである。貯金した元金返済の総額と、完済時の資産価値が同額であれば問題ない。
利息分はその間の家賃と考えればよい。
もちろん、ローン返済の途中時点でも、利息を含めた借入残高以上の資産価値を維持していれば、資産形成につながる。
しかし、元金返済額よりもその時点で資産価値目減り分が大きい場合には、資産形成にはなりえない。
■憂き目に合わないようにするには?
ローンの返済期間をなるべく短縮するしかない。
現状のような住宅資産デフレが今後も続くとしたら、ローン期間10年が限界ではないか?逆に言えば10年ローンで購入可能な金額が適正な購入予算額となるだろう。
日本は持ち家率が6割以上にも達しているのだから、既存住宅の資産価値を上げるかせめて下落を食い止めることさえできれば、株よりも大きな資産効果が生まれる。
超長期ローンを見直して物件価値以上の返済を求めないノンリコース型住宅ローンの開発を急いだり、住宅の資産価値を落とさない政策が打ち出されることを期待する。(本多 信博氏談)
(住宅新報2013/5/14号より。文章は要約・やや割愛したものです。)
10年ローンの範囲が購入予算…論理的で理解しやすい論説だと思うのですが、現実的にいうと土地が高い首都圏に住む庶民には少し厳しいですよね。
手元に資金が潤沢にあれば別ですが、そういう方には以前より「元利均等」返済よりも「元金均等」返済タイプをおすすめしています。
住宅購入需要がMAXであろうアラサー・アラフォー世代は、それだけでなく育児・冠婚葬祭・リフレッシュのための娯楽…と出費はかさむばかり。年功序列・終身雇用制度が崩壊した今、貯蓄もいざという時のためや年金不安にまわしたいところ。ひたすら頭が痛いですねぇ。
今既にローン返済中という方は『繰上返済』を目指してくださいね。
固定金利型ローンの「フラット35」では100万円単位の「繰り上げ返済」で、手数料はかかりません。
そうやって徐々に返済期間を短くしていくのです。お気軽に相談してくださいね。
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