【知って得する建物の豆知識】
一般ユーザーが住まいに望むもののうちの上位のひとつは『大きな開口部』です。しかし防犯上の弱点にもなります。
警視庁の調査によれば、戸建の住宅に対する侵入犯のうち7割が窓を破って侵入しています。
(マンションなどでは1位ピッキング。2位ガラス破り)
では、大きな開口部の防犯性を高めるためには、下記の設置が考えられますが、残念ながら同時にデメリットも生じます。デメリットをまとめました。
●鎧戸→風にあおられると破損しやすく、メンテナンスに手間がかかる。
●シャッター→高価、意匠的なおさまりが良好とはいえない。
●雨戸→朝夕の開け閉めの手間に加え、無人の状態を示すことになるため閉めずに出かけることも多く、防犯的な効果は半減する。
全部、困った・・・そこで!ガラスそのものに防犯性を持たせる考え方があります。
■侵入犯の手口
・こじ破り:ドライバーをガラスに突き刺して穴をあけ、サッシの内錠を操作して侵入。
・焼き破り:携帯バーナーでガラスを焼き切る。
・打ち破り:ハンマーでガラスを叩き割って侵入する。
⇒いずれも【5分以内】に済ませなければ通行人の目に触れたり、近隣に気づかれる可能性が高まりここでの【時間消費が侵入犯のクリティカルポイント】です。
■ガラスの種類と防犯性
・フロートガラス、型板ガラス:2分程度で侵入可能。
・強化ガラス:フロートガラスに焼きを入れ、強度を高めたもので破壊時には大きな音と共に破片が飛び散りますが、一気に大きな穴が開くのでダブルロックの効果は半減しあまり防犯的と言えない。
・複層ガラス:2枚のガラスで構成され四周は樹脂でシールされているため、二重の手間がかかりある程度の防犯性はあります。⇒今エコの観点からも2重サッシが増えているので、いいですね。
・合わせガラス:2枚のガラスの間に強靭な透明樹脂フィルムを張ったもので熱線や紫外線防止効果もあります。
※通常フィルムは0.4mmですが防犯合わせガラスには0.8~2.3ミリが使用されており容易に侵入できません。
ゆえに、最も防犯性が期待できるのは合わせガラスです。
実は、防犯性が上がるのとおおよそ正比例で値段も上がってしまうので、ご予算と要検討してくださいね。
商品名 |
厚み(mm) |
価格 |
透明ガラス |
2 |
¥5,500 |
3 |
¥9,000 |
型板ガラス |
2 |
¥5,000 |
4 |
¥8,500 |
平面強化ガラス |
5 |
¥21,000 |
複層ガラス ペアマルチ |
3+A6+3 |
¥18,000 |
合わせガラス |
3+3 |
¥26,000 |
※参考価格(小竹畳・ガラス店@京都府さんの価格表より)
尚、『防犯フィルムの貼り付け』という手法もありますが、ガラス前面に0.3mm程度の厚みのあるものを張る必要があり、経年変化で黄ばんだり専門家の施工をおすすめするので簡易的な方法と言わざるを得ません。
<住宅新報平成24年7月3日号より>
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