出光美術館の大仙厓(せんがい)展に行ってきた。
仙厓は、禅の境地を軽い筆さばきで絵にした僧。
パッと見、「何? この適当な絵?」ってくらい簡単な描き方に見えるけど、きちんと絵を描いたらすっごく上手な人なんだ。
そぎにそいだ線で禅の精神を表現する。まさに洒脱(しゃだつ)。
最近、「ゆるふわ」「かわいい」と、若い子達の間でもちょっとしたブーム?
博多で活躍していた事は有名だけれど、19歳から32歳まで横浜市南区の寳林寺(ほうりんじ)で修行していた事は、意外と知られていない。
有名なのは、猫とか犬とかちっちゃい子の絵。
当時、日本で見るのが珍しかったトドの絵とか、「これ、トドかぁ~」とめっちゃ脱力する感じ。
龍虎図(りゅうこず・龍と虎がにらみあっている絵)や達磨図(だるまず)なんか、普通いかつい感じなんだけど、なんか、かわいい~
超絶テクニックもいいんだけど、こういう人間的な大きさが現れる絵が描けるって、すごいなぁ。
晩年まで、仙厓さんに「絵を描いて」ってせがむ人がたくさんいたらしい。
ホントにいい人だったんだだろうなぁ。
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