都知事選 慎太郎のダミー 無責任松沢は当選できない (日刊ゲンダイ2011/3/2)

利権引き継ぎ、言いなりになると後継者扱いだが、東京では無名だし都民はヨソ者を嫌う

都知事4選に向け、煮え切らない発言を繰り返してきた石原慎太郎知事(78)だったが、やっと不出馬。事実上の後継者として、神奈川県の松沢成文知事(52)が立候補することになった。

1日、都内で記者会見した松沢は、石原に出馬することを電話で伝えたら「そうか、頑張れ」と激励されたことを明かした上で、「東京でリーダーシップを取り日本再生につなげたい」「無所属で出馬するが、応援したいという政党があれば、よろしくお願いします」などと語った。
「松沢知事は1年前から石原都知事に『引退されるなら、都知事選に出馬したい』とアピールしていたそうです。2人は一緒にディーゼル車規制など首都圏の課題に取り組んできた。選挙時には、お互い応援に駆けつける仲です。また松沢知事の特別秘書・今岡又彦氏(64)は、もともと石原都知事の選挙参謀でした。今回、今岡氏からも石原側に『知事を譲ってくれ』と頼んだといわれています。石原都知事も年齢的に4選はツラい。大っ嫌いな民主党の蓮舫に都政をやらせたくない。それならば部下同然の松沢知事に任せようということでしょう。表立って発言していませんが、出馬を容認した形です」(都政担当記者)

川崎で生まれ育った松沢は、慶応中から慶大まで進み、松下政経塾出身。その後県議をやり、1993年に小沢一郎の新生党から衆院選に立候補して初当選。ところが2003年に民主党を離れ、神奈川県知事に転身した。現在2期目だが、全国初の受動喫煙防止条例を強引に成立させ、愛煙家や飲食店を敵に回した“実績”がある。

石原としては、「松沢なら当選できるし、知事になった後も、いろいろオレが口を出すことができる」と甘く考えているようだが、そう簡単にはいかない。
「いくら経験があっても、神奈川の知事がいきなり横滑りで東京都知事になることに当然、都民は拒否感をもっています。前回の都知事選でも、宮城県知事をやって人気があった浅野史郎が出馬しましたが、支持は広がらず石原に100万票以上の大差をつけられました。最後まで都民からはヨソ者扱いでした。それに、まだ任期が残っている現職知事が、別の場所の知事選に立候補というのは無責任な話です。最終的に自民・公明は石原の意を酌んで松沢を推薦するでしょうが、今後、東国原前宮崎県知事が出馬し、民主党が独自候補を擁立した場合は票が割れ、ワタミ前会長の渡辺美樹だって浮上する。ひょっとすると、共産党の小池だって可能性が出てくる。地味で無名の松沢に、浮動票が集まることはないから当選の保証なんてまったくありませんよ」(政界関係者)

石原は都合のいい後継ができてニンマリ。松沢は松沢で、もう知事になったような会見だったが、ざまあ見ろで、きっと赤っ恥をかく。


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