これからの政局はどう展開 [疑惑まみれ 小沢強制起訴]

(日刊ゲンダイ2010/10/5)

検察審査会の暴走、妄動には多くの国民が驚いているが、これで菅政権がいきなり、臨時国会でつまずくのは間違いない。猫なで声で野党にすり寄り、補正予算の事前協議をもくろんだ菅だが、野党に一蹴され、法案成立のメドが立たない。
公明党からは協力を得られる見込みだったが、それもこれも小沢の起訴議決でパーだ。野党が主戦論に転じたからである。
「そのうえ、今月24日には北海道5区の補欠選挙がある。自民の候補は町村元官房長官、民主は元国交省役人の若手。民主は若干、負けています。この選挙で落とせば、ますます、野党は勢いづく。菅政権は補正も成立させられず、追い詰められていくことになります」(民主党関係者)
小沢を切れば、党内の小沢グループは集団離党、政権崩壊だから、菅はガンジガラメだ。
何とか、補正は「国民のため」とか言って乗り切っても、こんな調子では来年の通常国会はどうなるのか。関連法案が通らず、行き詰まる。その場合、「政界再編の入り口になる」(平野貞夫氏=前出)との見方もあるのである。
「臨時国会でガタつけば、党内は緊張状態になる。菅官邸は小沢のせいにし、小沢サイドは菅の謀略と反感を強める。菅政権が行き詰まれば、一気に政局です。そのときまでに小沢氏の無罪が出ていれば、小沢氏がもう一度立つし、出ていなければ、原口前総務相や海江田経財相らを立てればいい。小沢潰しという菅、仙谷サイドの謀略は、策士策におぼれる結末になるかもしれない」(政界事情通)
小沢グループはイザとなれば出ればいい。数十人でも強烈なインパクトだ。自民の一部やみんなの党と組む。当然、民主党も割れて、ガラガラポンの政界再編になる。
小沢の強制起訴は、いつも小沢、反小沢でガタついているアホな民主党をすっきりさせるいい機会かもしれない。