民法TVにも見放された菅首相のミジメ・・・

(日刊ゲンダイ2010/7/31)

異例の記者会見も生で詳報はNHKだけ
30日の菅首相の記者会見。通常、予算成立時や国会閉会時に開かれるのに、臨時国会召集日の会見は異例のタイミングだった。「自らの思いを国民に伝えたい」という首相の強い要望だったらしいが、メディア側はハナから相手にしていなかった。テレビがてんで報じなかったのである。
午後5時からの記者会見に合わせて、特別番組枠をつくり、生中継をきちんとしたのは、NHKだけ。民放はほとんど無視だった。
「午後5時からの記者会見ですと、夕方ニュースにドンピシャです。官邸サイドは、民放の夕方ニュースが一斉に菅首相の会見の映像を生中継してくれると思って、その時間で設定したのでしょうが、完全に肩透かしでしたね。会見は一国の総理から国民へのメッセージ。以前なら、5分や10分は生中継で伝えたものですが、この政権はナメられています」(テレビディレクター)
この日の民放の夕方ニュースは、初登院する谷亮子や三原じゅん子など新人参院議員を追っかけた。菅の会見の様子は、30秒か1分。一般ニュースとして申し訳程度に流しただけだった。
もっとも、あの会見の中身じゃ、この扱いも当然だ。会見でしゃべったのは、すでに発表済みの話ばかり。29日の民主党の両院議員総会同様、消費税の陳謝と言い訳を繰り返されてもウンザリだ。民放のある記者は「『この程度の内容だったらニュースはボツでいいんじゃないか』とデスクに言われてしまいました」と苦笑いだった。
「死に体の菅首相は、今や国民の支持だけが頼り。世論調査で『菅首相を辞めさせるべきではない』が多数を占めたことを最後のよりどころにしている。そのため、会見は質疑応答の前の発言で、『どうか国民のみなさんのご理解とご支援を心からお願い申し上げ、冒頭のご挨拶とさせていただきます』という哀願口調だった。しかし、それがより惨めさを浮き彫りにしてしまったのです」(政治ジャーナリスト)
こういうのをヤキが回ったという。何をやっても裏目の菅は、退陣に向かってまっしぐら――。