ハラハラと流れ落ちる涙・・・。
あき「それだけでも辛いのに・・・。なんでアオさんがハルの隣に居るんでしょう・・・。」
あき「私、ハルを失って、精一杯生きてるのは、ハルが自死を死ぬほど嫌ってたからなんです。」
あき「せやのに、アオさんは簡単にハルの隣に行ったんですね・・・。」
あき「うらやましい気持ちすら持ってしまう・・・。」
オーナー「あきさん・・・。」
あき「ごめんなさい！こんなんオーナーさんに言っても困らせるだけってわかってるんです！」
無理に笑顔を作って涙をぬぐいました。
オーナーさん「もし・・・。」
あき「・・・？」
オーナー「もし、私があの世に行って、ハルちゃんの隣にアオが居てたら、責任をもってハルちゃんを守るから。」
あき「・・・え？」
オーナー「ごめんな、私にはもうそれくらいしか言われへん・・・。」
あき「いえ！私こそ申し訳ありません。オーナーさんに言うべきやないって、ご自分の事で大変な時に、アホな事言うて申し訳ありませんでした。」
オーナー「あきさん」
あき「はい？」
オーナー「幸せになって・・・？」
オーナー「旦那様になる人に悪いなんて思わんと、今のあきさんを作ってる成分の中にはハルちゃんとの時間があってこそやから、ハルちゃんを真剣に愛したあきさんやからこそ、きっと旦那様を幸せにできると思うし、ハルちゃんもそれを望んでると思う。」
あき「・・・ええんですかね・・・。こんな気持ちのままで結婚して・・・。」
オーナー「いいも悪いも、旦那様が好きになったあきさんの一部がハルちゃんで出来てるんやもん、そんな一部分だけを取り除けるはずもないし、取り除く必要もない。」
あき「・・・・・・。」
オーナー「あきさんが本当に旦那様に悪いと思てるんやったら、その分尽くしてあげたらええやん・・・。」
あき「尽くす・・・？」
オーナー「人の優しさってな、罪悪感と隣り合わせやと思うんや。」
オーナー「罪悪感を持ってるからこそ、きっと優しくもなれるし我慢もきく。ただただ何の苦労もしてない人に出来ん我慢をあきさんは自然に出来てる。」
オーナー「だから、きっとあきさんは優しくなれる。今までもハルちゃんやアオに対する行動見てたら十分優しいんやけど、きっともっと強く優しくなれる人やと思う。」
あき「・・・・・。」
オーナー「ハルちゃんはやっぱ見る目あるわ！」
あき「そうですか・・・？」
オーナー「そうや！アオも本心ではええ子やねん。ハルちゃんに対してはタガが外れてしまったけど・・・。」
あき「・・・外れすぎでしょ・・・。」
思わず本音が出てしまって・・・。
オーナーさんと顔を見合わせて『フッ』と噴き出してしまいました。
オーナー「あきさん、もっかいいうよ、幸せになりなさい。それをハルちゃんも望んでる。今世でハルちゃんの事を忘れてしまったとしても、きっと来世こそはハルちゃんがあきさんを見つけて、きっと一緒に幸せになる為に行動すると思う。」
あき「・・・はい。」
オーナー「・・・お墓の位置・・・聞きたいんやろ・・・？」
あき「・・・はい・・・。」
オーナー「・・・でもね、お墓の場所は知らんほうがええ。ハルちゃんも望んでない気がすんねん。アオにあきさんが近づくことを・・・。」
あき「・・・・・・はい。」
何となく私もそれは感じていました。
『ハルに手を合わせたら、アオさんに手を合わせることになる・・・。』
『それはハルが望んでない気がする・・・。』
『でも、お墓の位置を知ったら行かずにはいられない・・・。』
『絶対に行ってしまう・・・。』
『下手したら・・・。ハルの骨壺に手を出すかもしれん・・・。』
『あかん・・・それだけはあかん・・・。』
そう思ったら、きっとオーナーさんに会った事、アオさんの最後を聞いた事・・・。
全部ハルが導いてくれた気がして、
『もしも本当にハルが死んでるなら、きっと私の近くに居てくれてるんじゃないかな』
『そしたら、お墓に居るのはハルの抜け殻・・・。』
『そこに行ってもハルは居ない・・・。』
そう、なんだか少しだけ割り切る事が出来た気がしました・・・。
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よろしくお願い致します。
↑今欲しくてたまらない・・・。
う～・・・。
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