親父「チエ、俺らがアオさんの成人後見人としての役目を全うするんはしたらええ、でもハルは・・・ハルが望む道を歩かせてやろう。」

 

 

母親「でも!!」

 

 

オーナー「私もそれがええと思います。」



オーナー「私・・・、海岸の散歩道をたまにウオーキングするんです・・・。」

 

 

母親「・・・・・?」

 

 

海岸?

もしかしてハルの想い出の海岸?

 

 

オーナー「・・・先日、たまたまハルちゃんとあきさんが海岸沿いのベンチとテーブルが置かれてる小屋でお弁当食べてるの見て・・・。」

 

 

『え?見られてたん?』

 

 

ハルと顔を見合わせました。

知り合いに見られてたってのは恥ずかしかったのがハルからも伝わってきました。

 

 


オーナー「ハルちゃんがすごい幸せそうに笑ってて・・・。年相応の笑顔で笑ってました。」

 

 

オーナー「そんな顔させてあげられてるのはあきさんやねんなって・・・。アオには無理やったんやなって思いました。」

 

 

アオ「そんなん!そん時だけやし!ハルはうちとおる時も笑ってたやん!」

 

 

オーナー「そうかな?ハルちゃんの年相応の笑顔なんて私は初めて見たよ?」

 


オーナー「すごい優しい笑顔であきさん見つめてた。」



 

親父「・・・そうですね・・・。確かにお正月もハルは柔らかい笑顔で俺とチエに笑いかけてくれました。・・・あんな笑顔・・・、初めて見た気がします・・・。」

 

 

母親「お父さん!?」

 

 

ハル「俺・・・、俺自身はそんなん意識した事無かったけど、あきといてたらチョットしたことがものすごい楽しいて、あきの表情がコロコロ変わるのが愛しくて、笑顔はもちろんやけど、怒った顔も、拗ねた顔も、泣いた顔でさえも・・・。全部、全部好っきゃねん・・・。こんな気持ち、今までなった事無い・・・。」

 

 

ハル「悪いけど、もうずっと前からアオが泣いてる時は『面倒やな』って思てた。怒ってるのは常やったし、拗ねるっていうよりはふてくされて、笑顔でさえも愛しいとは思えんようになってたんや・・・。」

 

 

アオ「そ・・・んな・・・、ひど・・・い。」

 

 

アオさんがこれまで見たことも無い位に悲痛な顔をしました・・・。

 

 

あき「ハル・・・、言いすぎ・・・。アオさん傷つけてええ訳ちゃうからな・・・。」

 

 


アオ「うるさい!お前が偽善かざすからハルが変になんねん!」

 

 

オーナー「アオ、もうやめなさい。」



オーナー「ハルちゃんが幸せになるのを認めてあげなあかんわ。」

 

 


アオ「イヤ!それだけはイヤ!絶対イヤ!!」

 


 

涙を流すアオさんをチエさんがしっかりと抱きしめてました・・・。

 

 

『2人の絆には敵えへんねんな・・・。』

寂しくは思いましたが、お義父さんとオーナーが分かってくれただけでもうれしくもありました。

 

 

親父「あきさん。」

 

 

あき「・・・はい!」

 

 

突然名前を呼ばれてビックリしました。

 

 

親父「ハルに豊かな感情を思い出させてやってくれてありがとうございます。」

 

 

あき「いえ・・・。あの・・・、本当に私は何もしてないので・・・。」

 

 

その言葉を聞いたハルが愛しそうに私を見つめながら笑ってくれました。

『何もしてないこと無いって言ってるやろ、この頑固者!』って瞳で語っているように。

 

 

親父「チエとは帰ってじっくり話し合います。アオさんとも・・・。あきさん、ですので少しだけ時間をくれませんか?」

 

 

あき「え?」

 

 

ハル「あきの誕生日にはあきの実家行くぞ?」

 

 

親父「わかってる。それは行ったらええし、あきさんのご両親に結婚の申し込みもしたらええ。」

 

 

ハル「じゃあ何を待つんや?」

 

 

親父「チエの説得や。」



親父「あきさん、チエをきちんと説得しますから、少し時間が欲しいんです。多分このまま今日は平行線で話は進まんと思いますので。」

 

 

『あぁ、そういう事・・・?』ってやっと理解出来ました。

 

 

あき「はい。・・・私も・・・。お義母さんにキツイ言葉を投げてしまったので・・・申し訳ありませんでした。」

 

 

頭を下げると親父さんがペコっと頭を下げてくれました。

 

 

お義母さんもそれを見て、微かに頭を下げてくれました。

 

 

オーナー「あきさん、ハルちゃんを幸せにしてあげてください。辛い思いをいっぱいしてきた子なんです。・・・アオの説得は私とお父さん(ハルの)でしっかりします。」

 

 

お義父さんとオーナーは目を見合わせて頷きあいました。

 

 

ハル「・・・あ・・・りがとうございます・・・。」

 

 

ハルの声は掠れていました・・・。

 

 

嬉しかったんだと思います。

お義父さんとオーナーの言葉が・・・。

 

 

一生分かり合えないと思ってた人が私たちの未来を祝福してくれたことが・・・。

 

 

この日の話し合いはこれで幕を閉じました。

 

 

 

船船船船船船船船船船船船船船船船

 

 

明日の『未恋』は一般の方向けの物と『アメンバー向け』の物に分けさせていただきます。

 

 

アメンバーさんの方は一般の方向けの物から少しだけ掘り下げた内容を載せる予定です。

少し下ネタも入りますので、苦手な方は一般の方の記事をご覧ください。

 

 

アメンバー申請の際にはメッセージで必ずお住いの都道府県をお知らせくださいますようお願いいたします。

メッセージの送りかたが分からない方は、こちらからメッセージをお送りさせていただきますので、コメント欄に『メッセージ送って』とご記入ください。

 

 

また、アメンバー申請でお教えいただいた都道府県は他用・他言は致しません。

身バレ防止の観点からのお願いですので、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

↑このままのコロナの状況だと今年も花火大会は中止の所が多いかもしれませんね。

花火の無い夏は寂しいなぁ・・・。