不倫はバカのすることだと言っていたサラリーマン。酔った社内の女性職員を介抱して、次第に関係をもっていく。その陳腐な姿がイライラする。それが長く続くストーリーだが、ラストは考えさせてくれる。小さい子供と理解ある妻と別れようとする主人公に対して、3月31日まで待ってと女は言う。女はお金持ちの家で、父親の不倫の関係で女中が死ぬ。その現場に居合わせ悩んでいて、時効まで待ち、主人公立会いの元で父親と叔母の不倫を糾弾する。そして、主人公に対して。もう要らない、と別れを告げる。不倫の気持ちも知りたかったのもひとつの理由。家族の元に戻る主人公。しかし、何も知らないと思っていた妻は夜な夜なクリスマスのオーナメントを潰していたことがわかる。そこから地獄がスタートする、というラスト。東野圭吾作品。
岸谷五朗、深田恭子。
★★★★
恋という偽りとなるようなものに振り回されている姿は情けない。こういうのでずっと人生に負い目を感じて生きている人はたくさんいるように思う。人生の価値ってもっと高尚なものじゃないでしょうか。