俺は気づいてしまった。
任天堂のブルーオーシャン戦略に賛同し、Wiiによる新たな楽しさを受け入れかけた俺。
だが、それはPS3のソフト不足、シェア低下に乗じて俺の心の隙を突く任天堂の卑劣な罠だったのだ!
俺はドラゴンクエストソード を買い、Wiiコンを振って敵を斬る楽しさが存在することを認めた。
そしてさらに実況パワフルプロ野球 Wii を買い、Wiiコンを振ってのホームラン競争を楽しんだ。
これが任天堂が提示した新しいゲームのスタイルだと思った。可能性があるんだと思わされた。
だが・・・?
たしかにどちらも予想以上に楽しさを感じることができた。
だが、はっきり言わせてもらえば俺はドラクエソードをクリアせずに売り払い、
パワプロもホームラン競争をやって以来全く手をつけていないのだ。
なぜか。
答えは明白だろう。
Wiiコンを振ってプレイした。
そこですでに完結しているのである。
ドラクエソードで剣を強化したりレベル上げをやってまでエンディングを迎えたいとは思わない。
なぜならザコ戦ですでにゲームの肝の部分は堪能できているからだ。
ウザイ攻撃をしてくる魔王と戦っても楽しさが削がれるだけであり、何もメリットはない。
パワプロはどうだろうか。
Wiiコンを振って打てる、それが今回のパワプロの新しさであって、
以前のパワプロの肝の部分を楽しもうとするならWiiコンはたちまち駄コンになってしまう。
Wiiはリモコンを振るのが命である。
Wiiらしさ、それは以前から俺が言い続けてきたようにリモコンを振って遊ぶことであり、
Wiiの性能の低さがそれしか許さなかったとも言える。
そして、従来と代わり映えしないゲームをWiiコンでプレイすること、
それはゲームファンにとって、単なる操作の確認でしかないではないか!
ドラクエソードで剣を振りました。
パワプロでバットを振りました。
バイオハザード4 Wiiエディション でナイフを振りました。リモコンで照準を合わせました。
なんてこった!
Wiiで既存タイトルを遊ぶことは、やはり単にWiiコンでの操作を試しているに過ぎないのだ!!
ゲームとは何か。
俺はPS3のソフト不足やシェア低下に不安でいてもたってもいられなくなり、
ゲームの本質を見失い、Wiiを支持するという暴挙に出てしまった。
しかし、それが一時の過ちだったのは既に明らかだ。
俺はPSプレミアでのPS3タイトルの発表を見て、ゲームとは何かを思い出した。
そして昨日、PSプレミアで公開されたPS3タイトルのハイクオリティな映像をダウンロードし、
PCモニターではなく実際にゲーム映像を映す大画面ハイビジョンテレビで満喫した。
そこには素晴らしい世界が広がっていた・・・。
俺がWiiで見た世界はとてもちっぽけなものだったのだろう。
広く深い海、自由に泳げると思っていたブルーオーシャンも、
実はWiiコンという任天堂によって用意された狭く息苦しい檻の中から見ていた世界だったのだ。
決して出られることのない檻の中に押し込まれ、かなわぬ夢を追いかけるWiiユーザーは、
まさに任天堂によって養殖された、ただ食われるためだけのちっぽけな存在に過ぎない。
任天堂は、本当に恐ろしい企業である。