「沈黙〜サイレンス〜」私的エピソード③ | 黒沢あすかオフィシャルブログ「Asukamera」Powered by Ameba

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*今までの投稿を含め、一部映画の内容にふれています



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↑Hair&Makemake-up Technician/リアンさん(オーストラリア出身)には、特殊メイクのみ(老けメイク・60代)を

右手/みっちゃんには、髪結いと40・50代の頃の普通メイクを



光の加減で分かりにくいですが
目の下・こめかみにかけて皺/たるみ/そばかすを施し、細部にいたるまでつくり込まれています


ロドリゴの妻の身分は"お公家さん"と言われていました


その品格を表すために、髪結いは両サイドを小さく作り、時代考証に基づき再現されたもの


そして日本に昔から伝わる、葬儀にまつわる習わしごとを忠実に表したのがロドリゴ葬儀の場面。日本人スタッフさん渾身のシーンです


"あの世とこの世は逆"という考えがあった時代。葬儀にまつわる〈逆さごと〉が表現されているのです


逆さに置かれた鶴の屏風/祭壇には守刀/お茶碗を割る


*屏風が逆さまになっているのは、死者が悪霊に邪魔されず、天国へ行けるようにとの願いを込めて

*守刀を遺体に添えるのも、悪霊から守り鎮魂を意味する習わしだそうです

そしてお茶碗を割るのは魂が戻ってこないようにと


死を畏れ、また敬い、弔いの気持ちを死者へあらわす

つつしみ深さや心配りを「沈黙〜サイレンス〜」は経験させてくれました



今まで悔しさをバネにやってきました
でもスコセッシ監督と出会えたことで、もうそのバネで女優をやっていく必要はないんだよと、肩に手を置いてもらえた気がしました

監督へ感謝申し上げます
とても勉強になりました

精進していきます