BOOK↑(鹿島田 真希さん著「冥土めぐり」)母を冷ややかに分析し、弟を仕方のない人間だとあきらめ見る「冥土めぐり」姉たちに心酔している四人姉妹の末っ子"菜菜子"が話をすすめる「99の接吻」ともに鋭い観察眼を持つ主人公。「冥土めぐり」の奈津子は、過去・現在と想いを巡らせながら、何とどう折り合いをつけていけばいいのか、模索している。「99の接吻」の菜菜子は、とにかく真っ新な雰囲気に溢れ、風に揺れ動くレースカーテンのように敏感。ふたりの決意が感じられる、結び方が好きだ。