深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

平和主義者や理想主義者は、人生において否定された経験がほとんどない。よもや平和や理想を否定する人間がいるとは思いもしないので、自分たちを否定する人間に対して異常なまでに攻撃的になる。しかし、彼らは哲学的に間違っているから否定されているのだ。

 

ソクラテス像 思考する哲学者

平和や理想は人間の主義主張で達成できるものではない。平和は政治的選択の結果として一時的にもたらされるものにすぎず、理想は厳しい現実社会の中で正しい選択に至ろうとするための精神的な支柱であるためだ。

平和や理想を主義として掲げた場合、それを目にした人間は、それはどのように実現しますかと尋ねることになる。それに応えられなければ、平和「主義者」や理想「主義者」は面目を失う。そこで平和に至るための政策、理想に至るための方策を示す。これが間違いの始まりになる。

平和に至るための政策は、状況によって大きく変わり、ときには真逆なこともしなければ厳しい現実という状況を乗り切れない。誰もが納得する美辞麗句を並べ立て、多くの人間に支持され、権勢を高めれば高めるほど、彼ら平和主義者が現実に対応できなかったときの支持者の失望は大きくなる。

理想に至るための方策はもっとあっさり否定される。なぜなら理想に至るための方策は個人の資質に大きく委ねられるからだ。同じ能力の人間が同じ時代に同じ職業に就いても、結果は同じにはならない。理想「主義者」の理想に至る方策は、実現することは決してないのだ。

平和「主義者」や理想「主義者」の失敗は、人々に大きな失望を与え、結果として平和や理想への希求を失わせてしまう。勝利するのは、平和を冷笑し、理想に背を背ける現実「主義者」ばかりになる。戦後の日本はまさに平和「主義者」と理想「主義者」によって、現実「主義者」の前に敗北を重ねることになった。

国権の発動を一部制限した占領軍の憲法を「平和憲法」だとウソをつき、マルクス主義のようなありもしない結果平等を約束することで、平和も理想も現実の前にボロボロにされてきた。憲法の問題は「現行日本国憲法の解説」で説明したので、理想について少し書いておく。

理想とは、真善美というものがこの醜い世にもあるのだと仮定することで、あるいは信じることで、人間という愚かな存在が正しく律せられるのではないかとする考え方に過ぎない。真善美に至ろうと努力する個人が、理想的な境地に至ることはあっても、理想「主義者」が全人類を理想の境地に連れて行くことはあり得ないのだ。それを約束する人間はすべてウソつきである。

「理想社会の実現」などというスローガンは、盛大に失敗して「理想社会への失望」を生むだけである。あるのは、真善美に至ろうとする民衆が社会の中にどれほどいるか、真善美に至ろうとする人間が社会の中でどう評価されているかなのだ。多くの人間がより善き人生を送ろうと努力し、より善き人生を送った者を貧富の差なく評価することができていれば、十分上等な社会といえる。

2022年3月2日現在、ロシアがウクライナを侵略し、彼らが核兵器の使用を仄めかしたことでまたしても平和「主義者」は現実「主義者」の前に敗北しようとしている。しかも内閣総理大臣が広島選挙区で、平和「主義者」であるというおまけつきだ。爆弾1発を落とされるだけで、平和は雲散霧消しようとしている。

平和憲法は平和を実現しない。それは「主義者」がついたウソである。

共産主義は理想を実現しない。それも「主義者」がついたウソである。

平和に至る唯一の手段は、平和政策を掲げることではなく、決断のすべてに平和への希求を持つことだ。政策も手段も、平和的である必要はない。理想に至る唯一の手段も同様だ。決断の中に理想があるかないかで人間の判断は大きく変わる。

「これが平和主義です」と与えられたものを暗記しても、現実に平和をもたらさない。「これが理想主義です」と与えられたものを暗記しても、現実に理想をもたらさない。

「主義」を掲げるから、「主義」に至る政策や方策の提示を求められ、挙句、平和や理想といった人間に必要不可欠なものを破壊するに至るのである。

 

 

 

 

 

原作:榛名丼、監督:木村隆一、構成:篠塚智子、制作:Voil。

 

レプリカは、失う。すずみとナオ

 

第9話 レプリカは、失う。

 

幕があき、律子がシナリオを書いた「新訳竹取物語」の舞台が始まる。練習通りに進行するが、終盤、かぐや姫と嫗達の別れのシーンに差し掛かると、ナオはこの物語へのすずみの思いに気づき、すずみに向かって、台本にはない本気の問いを投げかけるのだった。

 

<雑感>

 

レプリカが発生した科学的あるいはSF的な説明があるのかと期待していたのだが、どうやらそんなものはなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

原作:松木いっか、監督:寺澤和晃、構成:内海照子、制作:スタジオカフカ。

 

日本三國 桜虎と弥々吉の再会

 

第10話 仇敵再会

 

桜虎は、弥々吉の策により威光回復を果たし、再び立ち上がった。 追い込まれる大和軍だったが、 龍門と軍師・賀来(かく)はこの危機的状況を打開するある策を、すでに一人の若者に託していた。

 

<雑感>

 

軍師ごっこは続く。

 

 

 

 

 

 

ダミアン・ハリス監督によるアメリカのサスペンス映画。出演はエレン・バーキン、ジュリアン・サンズ、ペータ・ウィルソン。

 

映画「解放区」のポスター、窓越しの男女

 

<あらすじ>

 

キャサリン・パーマー刑事の管轄で女性に暴行を加えたうえで殺す残忍な連続殺人事件が発生する。遺体は裸にされたうえで化粧を施されていた。捜査の過程で2人目の被害者を発見したビッキーは、キャサリンを誘惑し官能の世界へ導いていく。

 

一方、精神科医のブルッサールは女性患者のカウンセリングを行う一方で秘密の趣味にいそしんでいた。やがて彼の患者が連続殺人犯の餌食になったことから事件は思いがけない方向へと展開する。

 

最後は、父親と兄から性的虐待を受けていたベッキーの妹を保護する。

 

<雑感>

 

原題「MERCY」。犯行の動機が変態性欲と絡んでいるので興味をなくした作品。変態の行動原理がまるで理解できない。

 

☆2.0。父親から性的暴行された話から急に「ふたりで化粧をしよう」と飛躍されてもオレにはわからん。変態さんはわかるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

ジル・パケ=ブランネール監督によるフランスのドラマ映画。出演はマリオン・コティヤール、ストーミー・バグジー、パトリック・ブリュエル。

 

映画「Les Jolies Choses」ポスター マリオン・コティヤール

 

<あらすじ>

 

真面目で地味な性格の姉マリーと、派手で奔放な性格の妹リシューは、正反対の性格ながら仲の良い双子だった。リシューには歌手になるという夢があったが、実際は男遊びと麻薬にうつつを抜かしているだけで、活動は上手くいっていなかった。

 

そのリシューが突然自殺をしてしまう。妹の死を嘆き悲しんだマリーは、内向的な性格を克服し、妹が叶えられなかった歌手になるとの夢を叶えてみようと思い立つ。そこでリシューと身分証を入れ替え、自殺したのはマリーだと周囲に思い込ませる。

 

リシューが掴んでいた歌手デビューのチャンスを成り代わって掴んだ彼女は、やがて成功を掴む。だがこれから売り出そうとした矢先、リュシーが過去にポルノビデオに出演したことが発覚する。会議は大荒れとなるが、マリーは動じず、妹のすべてを受け入れる。

 

マリーはリュシーの名前のままで歌手として成功する。しかし、彼女は大切な恋人を失う。

 

<雑感>

 

原題「LES JOLIES CHOSES」

 

設定は面白そうだったのに、マリーがリュシーではないことを知っている男との恋愛沙汰が話のメインで、これが実に退屈。マリーがリュシーになっていく過程で、どんどんビジネスライクになっていく描写も変化に乏しい。

 

☆2.8。リュシーを演じることの葛藤が見えてこないのが残念。最初から売女に見えてしまう。

 

 

 

 

 

デヴィッド・F・サンドバーグ監督によるアメリカのホラー映画。出演はエラ・ルービン、マイケル・チミノ、オデッサ・アジオン。

 

Until Dawn 映画ポスター

 

<あらすじ>

 

クローバーと元カレのマックス、友人のニーナとミーガン、そしてニーナのボーイフレンドのエイブたちは、1年前に失踪した姉のメラニーを探すために訪れた山荘で突然現れた覆面の殺人鬼によって惨殺される。一度は死んだはずの彼らだったが、目が覚めると驚くべきことに殺される前の時刻に戻っていた。

 

そして再び命を狙われ、残酷に殺され、また時間が逆戻りして生き返る。追体験の度に異なる殺人鬼が現れ、殺され方も変わり、惨劇が倍増加速していく。しかも自分たちも徐々に怪物に変異していた。様々な脱出方法を試すがどれも上手くいかない。

 

やがて彼らは、この<恐怖のタイムループ>から抜け出す唯一の方法は、死を繰り返しながら謎を解き、夜明けまで生き残ることだと気づく。あるとき、メーガンだけが夜を生き延び、ループ研究者として囚われているヒルを追いかけたことを知る。

 

一行はメーガンの足跡を追う。クローバーは一行と別れてヒルと対峙する。飲むと爆発する水を使いヒルを殺したクローバーは、メーガンを開放。そしてついに全員生き残る。時間が来て、ループが終わる瞬間にトンネルから脱出する。

 

<雑感>

 

原題「Until Dawn」。原作はゲームみたいですね。ゲームをやらないから知りませんが。

 

ループ物ではあるのだけど、毎回襲撃してくる怪物も変わるし、死に方も変わるので、何をどうすれば脱出できるのかルールがわかりにくかった。そうこうしているうちにどんどん死んでいくので、脱出方法を見つける気力がなくなってしまい、あとは眺めるだけ。

 

もうちょっと情報開示を早めにしても良かったかも。全員生き残るゲームかどうかもわからなかったし。こういうのは生き残りのルールを明確にしてくれないと。

 

☆3.0。脚本もミスだよね。情報開示のタイミングは難しい。

 

 

 

 

 

ジャック・クルーガー監督によるフランスのホラー映画。出演はアデル・ギャロワ、マリリン・リマ、マリー・ザブコヴェック。

 

禁忌島 DVDジャケット:傷ついた顔の女性

 

<あらすじ>

 

サーフィンの第一線で活躍してきたサラは、事故のトラウマにより再びボードに乗ることを躊躇していた。そんな中、雑誌の企画でサーファー仲間のアリシア、アゼル、ジェニーと共に、ポリネシアの孤島のビーチへと向かう。

 

手つかずの自然が残るその島は、ビッグウェーブが押し寄せる最高のスポットだという。しかし、現地案内人のサムは、その島に行ってはいけないと忠告する。理由を聞いても、迷信めいたことを言うばかり。

 

結局サラたちは島へと渡り、サムは48時間後に船で迎えに来ることになる。そして、噂通りの最高の波で一同はサーフィンを楽しむが、突如、アゼルが何者かに海に引きずり込まれる。残りの3人は陸に上がる。すると男たちが彼女らを追いかけて捕まえた。

 

自ら神と名乗るフランス人が土人を支配していた。女たちは裸にされ、強姦されそうになる。拘束を解いた女たちが反撃する。だがアシリアとジェニーが殺され、サラだけが生き残った。サラはジャングルの中に逃げ出す。彼女が辿り着いたのは、廃墟となった実験施設の跡地だった。

 

フランス人の男は元軍人で、核施設の放棄とともに島に隔離され、見捨てられた存在だった。サラは施設に残っていた手榴弾を使い海へと逃亡。サムに助けられるが、サムは撃たれて死んでしまった。そこでサーフボードで海へと出る。

 

サムが乗ってきた船に辿り着き、ようやく生きて帰れると思った矢先、船に防護服に身を包んだ警察が乗り込んでくる。

 

<雑感>

 

原題・英題「Maraé/Pacific Fear」

 

たいそうな邦題がついている割に全然面白くなかった作品。土人の描写が酷いし、放射線の影響があるから隔離するというのもあり得ないし。それに隔離された島でフランス人が神を名乗って、それを土人が受け入れているのもおかしいし。

 

☆2.0。フランス人は鵜あらまれて真っ先に殺されているだろうと。

 

 

 

 

 

セルジオ・ピニェイロ監督によるアメリカのホラー映画。出演はケイトリン・マクウェシー、レイチェル・リュウ、エミリー・ソッペ。

 

Wormtown 寄生虫ホラー映画ポスター

 

<あらすじ>

 

寄生虫を崇拝するカルト教団が街を占拠し、あっという間に壊滅させてしまう。教団員以外で生き残ったのは女性ばかり。必死に逃走を試みるものの、教団の追手はすぐに追いついてくる。ひとりを除いて全員死ぬ。

 

<雑感>

 

☆1.8。これは無理。寄生虫は無理。見ていられない。

 

 

 

 

 

レベッカ・マッケンドリー監督によるアメリカのホラー映画。出演はミーガン・ベスト、ジノ・アナニア、ヴェリティ・マークス。

 

エレベーターゲーム 5階の女 ホラー映画ポスター

 

<あらすじ>

 

不器用な性格のライアンは、都市伝説を検証&論破する動画を投稿しているグループに参加する。ライアンには秘密があった。妹ベッキーが数か月前、異世界に繋がると噂される都市伝説の“エレベーター・ゲーム”にライブ配信でチャレンジ中に、謎の失踪を遂げていたのだ。

 

このゲームはエレベーターに乗り、階数ボタンを決まった順番に押すと、異世界へ行けるというもの。5階に着いたら、ドアが閉まるまでずっと目を閉じていなければいけない。成功すれば異世界へ行き、失敗すれば5階の女に引き裂かれるという。

 

ライアンはベッキーを捜すためグループを説得し、このゲームをプレイする。ところが機器の故障などで上手くいかない。ゲームを辞めたがっていたクリスは、未成年のベッキーと肉体関係にあり、それをバラされたくないためにゲームには消極的だった。クリスは5階の女の殺される。

 

イジーとケビンもゲームに失敗して殺される。ライアンは成功するが追い返されてしまう。5階の女の霊というのは、学校のイジメで殺された女生徒のものだった。霊を鎮めるにはゲームを続けるしかない。マティとクロエが殺され、ライアンは霊界に閉じ込められてしまう。

 

<雑感>

 

原題「Elevator Game」。スッキリしない作品だった。

 

話の途中でベッキーがほぼ死んでいることが明らかになるのになぜゲームを続けたのかはっきりしない。ゲームを一度クリアしたのに、1階に戻ろうとしたことも、それが5階の女に妨げられたことも、明確な理由がない。5階にいた女がベッキーなのか、異世界なのかもわからない。

 

復讐のためにゲームを設定して事件の犯人らをおびき寄せている設定も弱い。そもそもの設定に無理がありすぎるのでは?

 

☆2.6。ヒロインはインド人。インド人が調子に乗りすぎ。どの映画もインド人ばっかり。

 

 

 

 

 

ベンジャミン・ブリューワー監督によるアイルランドのホラー映画。出演はニコラス・ケイジ、ジェイデン・マーテル、マックスウェル・ジェンキンス。

 

Arcadian映画ポスター:ニコラス・ケイジと息子たち

 

<あらすじ>

 

パンデミックにより人口の大部分が死滅してから15年。ポールと双子の息子、トーマスとジョセフは、夜に現れる恐ろしいクリーチャーから命を守りながら過酷な世界で生き抜いている。

 

ある日、トーマスが日没前に帰らず、ポールは息子を救うため、危険を承知で外へ出るが、命をかけた戦いの末、重傷を負ってしまう。暗闇の中で凶暴な影が迫る。

 

ポールは発煙筒で怪物を追い払おうとするが、手が挟まってしまいそのまま爆発する。怪物は死滅したが、ポールは気を失い、翌朝になってジョセフに助けられる。トーマスは父親をローズ牧場に連れて行こうと提案する。そこには彼が好きなシャーロット・ローズがいるためだ。

 

だがローズ牧場の態度は冷たかった。トーマスは泊めてもいいが、父親は助けられないという。ジョセフはトーマスを農場に残し、父親を連れ帰る。残ったトーマスも父親を助けるために薬を盗み出そうとするが、発見されて殺すと脅される。

 

家に帰ると、ジョセフは怪物が床下を掘っていることに気づく。ローズ牧場でも同じように地価が彫られており、トーマスとシャーロット以外全滅させられる。トーマスとシャーロットはポールの牧場に逃げ込む。

 

目を覚ましたポールの発案で怪物を殺す計画が練られ、ポールは自らを犠牲にして怪物を殺す。

 

遺されたトーマス、ジョセフ、シャーロットは、近隣に生き残りがいないか探す旅に出る。

 

<雑感>

 

原題「Arcadian」。アイルランド、アメリカ、カナダの合作映画。羊牧場が舞台だから、アイルランドの撮影だ。

 

いわゆるアポカリプスものの作品で、田舎の理想郷で暮らす家族が、女性との関りで父親と家を失い、別の理想郷を求めて旅立つ話が骨子。怪物の正体はおそらく人間なのだろうが、なぜ怪物になったのかはよくわからない。最初から怪物のせいで人類が滅びるところから始まっている。

 

☆3.1。オレは嫌いじゃないけど、単純すぎるかもしれない。