シャミム・サリフ監督によるイギリスのサスペンス映画。出演はホリー・デヴォー、マキシーヌ・デニス、ヘシャム・ハンムード。
<あらすじ>
銀行の差し押さえに遭い実家の農場を閉鎖したリサは、不本意ながらも町に進出した新興大手企業アグリテック社で働き始める。しかし、アグリテック社重役のダリアと従業員待遇についての話し合いでこじれてしまい解雇されてしまう。
がんで闘病中の父親を抱え日々の支払いが嵩む状況のなかで、リサは生きていくためにダリアに謝罪して再びアグリテックで働き始める。
一方、幼馴染みとの結婚を控えながらも仕事に勤しむダリアは、結婚して子どもを生み育てることが女性の幸せだと考える家族の価値観を押し付けられる憂鬱な毎日を過ごしていた。結婚しても仕事を続けたいという自分の気持ちを家族に伝えられず苦悩するダリアは、歌詞に心を込めて唄うリサの姿に次第に惹かれていく。
家計が苦しくなり農場が売りに出されると、アグリテック社がそれを買い上げた。リサはショックを受けて会社を辞め、ダリアと別れる。
しばらくしてリサの父は亡くなった。ダリアは気まずいながらも葬儀に駆けつけるが、母親に拒絶されてしまう。リサと会えないままダリアは結婚式を迎える。一方のリサは、町を出ようとしたところ、親戚に取り囲まれて暴力的に神に服従させられる。
ショックを受けたリサは、そのまま家出。都会で歌手の職を得る。ダリアは結婚相手(幼馴染)に、あなたは親友としては好きだが、実はリサを愛していると打ち明けてしまう。リサが遺産相続の問題で帰省した際、ふたりは互いに誤解していたと知ることになる。
久しぶりにリサに会ったダリアは、会社からも家からも追い出されたことを話す。その原因が自分への愛だったと聞かされたリサは、わだかまりを解く。そしてふたりはそのまま都会へと逃げ出していった。
<雑感>
原題「Polarized」。生きづらい世の中に苦しむ女性の話です。
リサは、ど田舎のキリスト教徒の家で育ち、それを不自由に感じてきた。一方のダリアはシリアからの移民で、金持ちだがこちらも伝統的な価値観に縛られた家で、自分の娘が婚約者と別れたいと口走ったことで父親が娘に殴りかかってしまう。
ドメスティックなものを嫌うフェミニスト映画なわけだが、実際に田舎は閉鎖的で、価値観の多様性がないために、生きずらい思いをする人間はいる。だからそういう人は都会へ出ていけばいいのではないかな。変な運動を起こして田舎を変革しようとするよりマシだ。
☆3.3。いい映画ではある。一方で、多様性といいながら、田舎の価値観や宗教的な価値観は認めないという態度は良くないよね。その場所から出ていけばいいだけだから。


















