心の章 14 言語と技・・・言語伝達による認識のズレとは? | 浪﨑 純の武道ブログ

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これらのテーマや経験から感じ得た考え方や習ったこと在り方等々を綴ってます♪

 

※2019年末よりアメブロを再開し、2013年頃に書いた文章を一部手直しして掲載しています

 

 

前回より続き

 

30代〜40代になる節目の2012年〜2013年頃に居住地のラオス国の首都ビエンチャンの武道修練所で書いた、心の章の『言語と技』、自分で書いた中でも好きな項であり、敢えて手直しは殆どせずに、そのまま掲載しますね♪

 

 

武道は体現出来て “なんぼ” だとは思いますが、指導者としての活動を通し感じた事は、身体を通して伝えたり実感してもらう事に加え、普及や伝承における伝達手段としての体現感覚の言語化とコミュニケーション正否のズレや怖さを感じる機会もあったため、この『言語と技』という項目を書いてみました。

 

さて、一連の心の章の中では『言葉(言語)』は、心の発達やプログラム形成に関わりが深い、と書いてきました。

 

上記に加え、言語は『技』とも深い繋がりを持つ、と私は確信していますが、論拠は何だと思いますか?

 

理由としましては、以下のような点が挙げられます・・・・・・

 

①あらゆる『技』は、“回し蹴り”等の名称認識に始まる『言語=知得』と、実際に先輩や指導者等の技を見てイメージしマネる『モデリング視覚認識』に加え、『身体操作の繰り返し=体得』によって体現化され、また、体得した技を認識(思考、説明指導、文章化等)する際には、再び言語を用いて表現する

 

②技に限らず、人が何かを思考する時は、言語によってイメージしている

 

③無意識下の情報が意識化される時(気付く)も、言語を用いて、体感の知的顕在化を行い認識している

 

④人類の進化の過程(や一部、赤ちゃんからの成長過程)において、根源的技である『直立二足歩行』や『言葉』の獲得は、高度なコミュニケーション能力(家族・社会構成生存力にも影響)、更に複雑な心を獲得する事へと繋がり、高度な人類文化形成の要点となっており(『手』の進化も含む)、つまり、身体と言葉(言語)は、人の進化や生存、成長(育て直し含む)と『共生的な相互関係』を以って存在している

 

・・・・・・ざっと思い付いただけでも、以上のような要素が挙げられます。

 

 人は何かを思考、イメージする際には、言語によって想念し、また、言語の数が日本語よりも少ない外国語もあるため、一例として、よく聞くアフリカの虹の話の例を挙げますと、日本(ラオスも)では虹が7色は常識ですが、アフリカの地方によっては2色が常識のところもあるようです。

 

 それは、色を表現する単語の数が、その土地の言語には少ない為に、微細な色の違いを表現できないという理由もあるようです。

 

 12色の色鉛筆くらいの色の言語知識のある人と、100色の色鉛筆の色の言語知識のある人では、二人に同じ景色や絵を想像し語らせたり、見せた時に示す認識や表現に、かなりの誤差が生じるはずです。

 

 また、同じ言語であっても、個々の生い立ちや経験には、完全同一のものは存在しませんから、体験によりプログラミングされた個々のイメージ影響を受けた言語認識の誤差が、一人ひとりに生じています。

 

 一例ですが、この文章を読んでいらっしゃる皆さん、頭の中に『山(やま)』を想像してみてください。

どんな山を想像されましたか?

 

 富士山ですか? それとも無名な高い山ですか? 低い山ですか? 海岸の砂で作った山ですか?

 

 仮に、富士山を想像した方が複数いたとしても、夏の富士山もあれば、雪化粧の富士山もあり、山梨県側の富士山を想像した方もいれば、静岡県からの眺望を想像された方もいらっしゃることでしょう。

 

 つまり、日本人に『山』と聞けば、概ね誰でも山(多種多様な山がある=山の一般化)を想像はしますが、実際には同一の山は2つと存在しませんし、1人として全く同一の山を想像する事も出来ないわけです。

 

 この項の要点をまとめますと、言語の認識とは、その言語と個々の体験により形成されたイメージが付帯した姿で存在(成立)していますので、

 

 仮に、言葉によるコミュニケーション(会話)においては、言葉という点だけで見ても、自分と相手の認識には、必ずズレ(誤差)が生じており、トラブルも起こりうるのです。

 

 その上、会話には諸所の主観的な材料が含まれますから、認識の食い違いは更に開くわけですね。

 

 また、技の観点から見ましても、例として、移動稽古の『step(ステップ)』と言う英単語(言語)に対して、道場生個々の認識(イメージ)には、おそらく、ステップ=【跳ねる?】【運足?】【すり足?】等の、言語知を用いた連想認識があり、個々のイメージ・先入観の差は、個々の身体操作にも影響を生じさせるのです。

 

 

次回に続く

 

 
 
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