福井の日本海側を中心に伝わる郷土料理「へしこ」。2007年12月には農林水産省から発表された「日本の郷土料理百選」にも選ばれるなど、全国的に人気・知名度が高まっている、注目の食べ物です。ここでは、へしこがどんなものなのか、作り方や食べ方、栄養などについてご紹介します。

へしこって何?

 

福井の日本海側を中心に伝わる郷土料理「へしこ」。2007年12月には農林水産省から発表された「日本の郷土料理百選」にも選ばれるなど、全国的に人気・知名度が高まっている、注目の食べ物です。ここでは、へしこがどんなものなのか、作り方や食べ方、栄養などについてご紹介します。

へしこって何?

 
 

「へしこ」は鯖などの魚を塩漬けし、米糠に漬け込んで1年以上にわたり熟成させた発酵食品です。樽に漬け込むことを「へし込む」と言っていたことが名前の由来とも言われています。福井県沿岸部では、漁に出られない日が多い冬場の貴重なタンパク源として、昔から各家庭でつくられてきました。現在は県内の飲食店やお土産物店でも提供されています。

へしこはどうやってつくるの?

 
 

へしこをつくる時期は、鯖に一番脂がのった秋が多いといわれています。とれたての鯖を開いて内臓を取り出し、一旦重石をして塩漬けに。4~5日すると鯖から水分が出てくるので、その水分と一緒に米糠をまぶして漬け込みます。地域によって麹や醤油、酒、たかのつめなど、入れるものに違いがあったり、独自の製法が見られたりします。

 

鯖が熟成するまでは常温で1年以上漬け込みますが、熟成期間が長いほど塩辛さがやわらぎ、まろやかになります。

アレンジいろいろ、へしこ料理

 

 
へしこは周りについているぬかを落として適当な大きさに切り、軽く火で炙ってそのまま食べるのが一般的。そのほかにも、酒の肴やお茶漬け、おにぎりの具、寿司ネタとして食べられています。また、新鮮なものは刺身としても食べることも。炙りと刺身では、食感も味わいも違うので、両方試してみるのもおすすめです。最近ではアンチョビのようにパスタやピザに使ったり、チャーハンの具に使ったりするなど、さまざまな料理にアレンジされることも増えています。
 

へしこは健康にもいい!

健康食品としても知られているへしこ。鯖などの青魚には「ペプチド」という成分が含まれており、免疫力アップ、病気の回復促進、糖尿病の症状改善、血圧抑制、血液をさらさらにする、シミ・ソバカス除去などの効果が期待でき、糠に漬け込むことでより多く摂取できると言われています。

 

さらに、米糠も塩や魚から出る水分が加わることで、乳酸菌や酵母が増大。免疫力の強化や整腸作用、血圧抑制、美肌効果などが期待できると言われています。

旨みが凝縮された糠にも使い道あり!

へしこについた米糠は栄養満点! へしこの旨味も凝縮されているので、料理に使うのがおすすめです。米糠を軽く炒ってごはんにかけたり、お茶漬けにしたりするほか、パスタに入れても相性抜群! 米糠のまろやかな塩気は野菜や肉の味を引き立てるのにも一役買ってくれるので、ぜひいろいろな料理に使ってみてください。